理想のヤンデレについて

05.20.Monday

 よく「好きな人の苦しんでいる顔を見たい」とか「泣いている顔に萌える」みたいなことを言っている方が自身をヤンデレと称してますね。たぶん間違ってはいないんでしょうが、それは明らかに『病んでいる人が誰かを愛す』という意味合いでのヤンデレなんだろうなと思ってます。
 そうではなくて、『普通の人が病むほどに誰かを愛す』という意味合いでのヤンデレが好きです。普通の人はたぶん好きな人を傷つけたくなんかないでしょうから、病み方が違ってくるんだろうなと。じゃあ普通の人が誰かを愛しすぎて病むとどうなるんだろうなー。と真剣に考えてみた結果、たぶん何も言えなくなるんだと思いました。
 大好きすぎて相手に嫌われることを恐れて、束縛も反論も自分の意見も主張できずに、徐々に釣り合わなくなってくる互いの愛情の重さに気付きながらも誤魔化して、ただ相手を離すまいという執念だけで良い恋人(片思いの場合は友達かな?)を演じるのかなとか。例えば浮気されたら、恋人を責めるのでなく浮気相手を殺すのでもなくただ気付かないふりをして、捨てられた時は誰にも告げずにひっそりとこの世から消えるのかなとか。
 創作でヤンデレキャラを書きたい時、絶対に犯罪行為にだけは走らせないようにしています。本当に病むほど相手を愛しているのなら、想い人を傷つけたり想い人と会えなくなる可能性がある愚行は絶対に避けるでしょうから。
 プロのヤンデレは自分の恋路を邪魔されまいと、誰にも自分が病んでいるということを悟らせないんだろうなと妄想しています。自分の本音は徹底的に封印して、ただひたすら良い恋人を演じて、相手を自分に依存させつつ実は依存していたのは自分の方でしたっていうのが理想です。それでもたまに我に返って、恋人に酷いことをしている罪悪感に苦しんでいると恋人がぎゅっと抱きしめてくれたりね。全部を知った上で許容している恋人が一番病んでいましたってオチ。
 結論:病むほど愛す人の想い人が病まないはずがない。


 っていう理想のヤンデレ論を展開したら友人に「それただの一途な良い人じゃん」と言われました。いや、でもぶつかってこその恋愛でしょ? ぶつからない恋愛って怖いよね、でも建設的でない関係が儚くて素敵ねっていうお話でした。だれかそういう不二夢書いてください。


22:03|2013


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