運命の双子

※「死せる乙女、その手には水月」パロ
璃緒死亡ネタ


いつだって「運命」は残酷で
私達を試すように試練を与える

私の最期があなたを護る為になるなら……
あなたの黒き剣―チカラ―となるなら……
私は喜んで神への供物となるでしょう


お願い、凌牙……あなたは……生きて……



ああ、友の魂に包まれ、私も光になっていく……
魂の光はこんなにも綺麗だったのね……

悲しまないで、凌牙……
辛いことが多かったけど、辛いことばかりではなかったわ
あなたと二人過ごした、過ぎ去った日々も……
これも「運命」の贈り物なのよ

前世からずっと一緒に生きてきた……
この世界でもあなたと一緒だった……
神代璃緒として生まれてからも、あなたの隣にいた……
私……幸せだった……



ただ、心残りなのは……あなたを残して先に逝くこと
ああ……この哀しみは……どう例えればいいのかしら……
まるで心を二つに引き裂かれたような烈しい痛み……

もっとあなたと一緒にいたかった……
もっとあなたと生きていたかった……

でも、それも、もう……



走馬灯のように、蘇る日々……

「ずっと、一緒にいようね」


ねぇ、憶えてる?

いつか、私がわがままを言ったことがあったよね
お揃いの指輪……着けてくれなきゃやだって……

あのときは、不安だったのよ
いつも一緒にいることが当たり前だったけど……
いつか一緒にいられなくなる日が来ることが……

私のわがままだったのに、大切にしてくれてありがとね

私はもう大丈夫……わかってるから……
離れても、存在がなくなっても、絆は消えないこと……
もう、不安になって、泣いたりなんかしないから……


だから、凌牙……あなたは……




さよなら……凌牙……
さよなら……さよなら……私の片割れ……

さよなら……お別れね……もうヒトリの、私……

←戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -