インモラル・インテンス
※現パロでドルベさんが女の子。タイムトリップハプニングとは何の関係もないです。
本番はないです。
ガチャリ。
自宅のドアの鍵を開けて中へ入ると、自分のものでないもう一足の靴が目に入る。「彼」は今日は在宅のようだった。一人暮らしの女子学生であるドルベの家では誰かの靴が日常的においてあるという現象はあり得ない。しかし、そういうことが起きているという裏には、非日常的な根拠が存在していた。
「おかえり」
ドアの開く音を聞いた住人が、読書を中断してドルベの方を見る。我が物顔でソファーを占領するその自分と同じ顔も、もう見慣れてしまった。ドルベはただいま、と返して荷物を置くために奥へと向かう。
彼の名は自分と同じ「ドルベ」という。顔も同じ、名前も同じ、しかし親族などでは決してない。突如ドルベの前に現れた「前世の自分」だったのだ。
彼は遥か昔活躍した英雄らしい。最初見たときは何かの冗談かと思ったが、彼の話を聞くにどうも冗談ではないらしかった。そしてドルベの感覚は驚くことにすんなりとその現象を受け入れたのだ。
本の読みすぎで耐性がついてしまったのか、それとも彼女の心のどこかにそういう非日常的な現象を期待する節があったのか。定かではないが、いずれにしろ彼女が受け入れてくれたお陰で歴史的な英雄は家を追い出されて行く宛もなく彷徨う羽目にならずに済んだのだ。
まさか自分の生まれ変わりが女性とは、と英雄は驚いていたがドルベもそっくりその驚きを返したくなった。運動よりも読書を好むドルベにとっては、自分の前世が男で戦場を走り回っていたなど、俄には信じがたいことだったのだ。
「今日は、どこも出掛けていないんだな」
彼は元の時代に帰ることも出来ず何も出来ないでじっとしているのが耐えられないのか、度々走りに出たり散策しに出掛けている。彼が家にいることは珍しいことだった。ドルベが思ったままの疑問を口に出すと彼は笑って答えた。
「ああ。今日はそういう気分にはならなくて。雨も降りそうだったし、家で君を待つのもいいかと思ってな」
「そういえば、天気予報でそう言っていたな…学校帰りに買い物に行っておけばよかった」
「買い物なら行っておいた。買ってきたものは冷蔵庫に仕舞ってあるよ」
「何を買うかわかったのか?」
「机の上に君の置いていったメモ書きがあった。今日の夕食はハンバーグだろう」
英雄はニッコリと笑ってドルベを見た。ドルベは物静かで表情の変化が少ないのだが、英雄は花が咲くような笑顔をすることが多い。
ここの生活に慣れた彼は度々買い物にも行ってくれていた。
「…たまには、少し料理に手間をかけようと思ってな」
「私がこの家に拾われた時、君が振る舞ってくれたものだったな。とても美味だった。私がまた食べたいと言ったのを、覚えてくれていたのか」
「ッ…、たまたまだ」
半分本当で、半分嘘。夕食の献立が決まらずに困っていたときに、彼が食べたいと言ったのを思い出したのだ。
図星を突かれて逸る胸を抑えながらドルベはキッチンに立つ。
彼といるとなんだかペースを乱される。本来自分しかいないはずの空間にいないはずの存在がいるという現象が原因の大半だろうが、彼とのやりとりが自分とのものというよりは兄妹のような、しかし家族にしては少し他人行儀な、なんとなくむず痒いような感覚を感じさせていた。
「うん、美味いな」
「そうか、それはよかった」
夕食の席で出来上がったハンバーグを口にして、英雄は声を上げた。美味しい、そう心から感じているのが表情に表れている。対してドルベはそこまで大きく反応することなく、食事に手を付ける。
英雄は静かになったかと思うと、じっとドルベを見ていた。
「私の顔に、何か付いているか」
「…君はあまり笑ったりしないんだな。せっかくの美人なのに、表情が乏しくてはもったいない」
「なっ…!自分と同じ顔だろう!」
「うーん、自分なのだが、自分ではないような。強いて言うならば…私には兄弟がいないのだが、妹がいればこんな感じかと」
英雄はそんなことを言いながらクスリと笑った。揶揄うのは止せ、と言いながらも、先程思った「兄妹のよう」だと彼も思っているのだと思うと、偶然ではあるのだがどこか気恥ずかしく感じる。
彼は自分と同じ魂でありながら自分とは全然違うのだ。年齢は自分より上らしく大人で体格もガッシリしているし、その物腰から頼りがいのある男だと思わせるような雰囲気を醸し出している。
それに……悔しいことではあるがドルベを男にして年齢を上げた顔なのに、自分かと思うほどに意外にもイケメンなのだ。笑顔を向けられると、思わずドキッとする。
そんな彼に必要以上に見つめられてしまうと、異性だからか変に緊張してしまう。 調子を狂わされっぱなしだ。普通に生活しているだけでもその存在を意識せざるを得ないのに、ちょっとしたハプニングなどが起きると尚更である。
「す、すまない…」
「いや、こちらこそ…」
一体どうしてこのような状況なってしまったというのか。なぜ、ドルベは英雄に抱き締められているのだろうか。
ドルベはただ、風呂に入ろうと着替えを取りに行って戻ってきた、それだけだ。急に廊下に現れた彼とぶつかった。英雄は倒れそうになったドルベの身体を支えて引き寄せ、今に至る。
助けてくれたのは非常にありがたい。お陰でドルベは尻や腰を固い廊下で打たずに済んだ。しかし、彼の手がドルベの身体を離そうとしないのは何故だろうか。
「助けてくれて、ありがとう…。私はもう大丈夫だから、離してくれないか…?」
ドルベが切り出しても、英雄はただ黙っていた。少しの沈黙の後、彼は口を開いた。
「すまない……少し、このままで居させてほしい…。何せ、…女の子の身体に触れる機会が、…そうそうなくて…」
戸惑うような英雄の声に、ドルベはヒクリと顔をひきつらせた。密着した身体、その腰辺りに感じる硬いモノは、錯覚などではなかったのだ。
自分のような女に、彼は欲情している……。もしこれが赤の他人であればドルベは力の限り抵抗し、好きな人であれば緊張と喜びで動けないだろう。しかし、前世の自分であり兄のような存在の彼には、どういう態度をとっていいかわからない。
動けずにいると、顎を掬われて上を向かされた。顔が近づくのが見え、ドルベは咄嗟に唇を手で覆う。
「……もしかして、まだ」
「すまない…。わ、私には……好きな人が、いるんだ……」
「いや、こちらこそ、すまなかった」
英雄は律儀に謝り、スッとドルベから身を引いた。自分は悪いことをしたわけではないのに、何故か罪悪感に駆られる。気づけば、どこかへ行こうとする彼の腕を掴んでいた。
「君、」
「あ、えと……そ、そのままだと、辛いだろう?キ、キスと本番は、駄目だが…それ以外なら…」
これはただの情け。女に触れてなかったが為にうっかり男の本能を垣間見せてしまった彼に同情したから。それに彼は身体が目的なのだから、収まりが付くまでの話だ。
複雑な自分の心にそう言い訳をして、ドルベは英雄の手に導かれてソファーに寝かされた。
「っん…ふ、…ぅ」
「君は結構大きいんだな。服を着ているとそうでもないように見えたのだが…」
服と下着を取り払い露になったドルベの胸に手を這わせて、その膨らみを揺らしたり形を変えたりして弄びながら英雄は感嘆した。彼女の乳房は英雄の手から零れ落ちそうなくらいに大きく、ぐにぐにと英雄が揉むと指が食い込んで形を変える。
女にとって小さい胸はコンプレックスかも知れないが、大きすぎるのもまた悩みの種になる。肩は凝るし邪魔だし、ドルベくらいの大きさだと可愛い下着が少ない。
しかし男にとってはかなり魅力的なものだ。形成される谷間は見て触るだけで興奮を覚える。脂肪特有の柔らかさを持ち、尚且つ弾力のあるそれは手に馴染み、揉む度に癖になってゆく。ぷるぷると揺れ、手の力加減で形が変わるのを見るのも楽しい。さらにその白い乳房に浮く処女らしいピンク色の乳首はすぐ様吸い付きたいほど彼の眼に扇情的に映った。
「っはぁ、うっ…!」
乳房を揉む手がその中心を掠めると、微かな電流が背中を流れた。ぎりぎり触れるか触れないか、といった感覚が逆に大きく彼女の腰を揺らす。
「気持ちいいか?」
「わ、わからない……なんだか、変な感じ……」
肩を竦めて緊張するドルベの肩を撫で、英雄は首筋や鎖骨に柔らかく口づけた。柔らかな感触がじわりと皮膚に広がる。とろりと感覚が溶け始めると、彼は胸を撫でていた手できゅっと中心を摘まんだ。
「あ、ぁっ…!」
ビリッと鋭い感覚を感じて、ドルベの肩が跳ねた。柔く擦られ、時には転がされたり押し潰されるように指で弄られる。波のように引いては押し寄せる快感が彼女を翻弄する。
身体を洗ったり下着を付ける際に触れる分には何も感じないのに、彼に触れられると身体が大袈裟に跳ねてしまう。
「胸、弱いのか」
「わから、ないっ……考えたことも、…んっ!」
「初々しくていい反応だ。少し、舐めてみてもいいか?」
「ひ、あぅっ!」
英雄は指で触れていた乳首をゆっくりと舌で撫でた。乳輪を辿るように円を描き、ぷくりと膨らんだ突起を舌で弾いて撫で、引っ張るようにそれを吸う。今まで感じたことのないような強い刺激がドルベの脳に直撃し、彼女は思わず身体を震わせて喘いだ。
「あん、あぁっ……!」
「ん、気持ちいい?」
「ぃや、やッ!、わかんな、…あっ!」
「気持ち良さそうだな」
胸に受ける刺激に震えていると、股の間に何かの感触を感じた。指で秘めた部分を撫でられていると解り、カッと顔が熱くなる。
「濡れている」
「や、言わな、い…で……」
「恥ずかしい?」
「あたりまえ、じゃないかっ…!」
英雄はヒクヒクと身体を震わせるドルベの腰辺りに口づけながら、股の間を擽るように撫でた。
自分でもそうそう触れないような場所に触れられ、自分のものではないような高い声が彼女の口から意思と関係なく出てくる。
「君の中にあるのが自分と同じ魂だと思えない。顔はよく似ているのに、こんなにも君の身体に興奮するなんて。君に将来触れる人間が羨ましくなってくる」
ドルベの身体を触り、彼女の反応を見るのが余程楽しいのか、英雄は微笑みながら息を吐いた。
よく似た顔なのに、というならドルベも同じだ。同じ魂の持ち主である彼に触られて、こんな人に見せられないような醜態を晒している。いや、ドルベにはもう目の前の男が自分の前世とか同じ魂とか、そういうことを考える隙などなかったのだ。
恥ずかしくてやめてほしいのに、でも思考とは別に脳のどこかが、脳髄に響くこの刺激をやめてほしくないと願ってしまう。
「あっ…!あ……!?」
湿った感触が、ドルベの秘処を包んだ。英雄が股の間に入って脚を開き、その中心に顔を埋めている。
膣から溢れる愛液を舐め取られ、ピクピクと震える芽を食まれた。
「ひぃっ!やあぁ!もう…もうだめ!ダメッ!あ、あ!ああぁ!!」
クチュクチュと溢れ出る液体に口づけ、啜る音までが質量をもって脳髄に響く。
ドルベの常識を超えた快感はもう、彼女の許容の範囲を超えていた。堪らず、彼の頭を脚で押さえつけて腰を浮かした。英雄がそれを一瞥して充血した芽を優しく吸うと、ドルベは短く悲鳴を上げて仰け反り、痙攣した。とろりと愛液がまた溢れる。
「余程気持ちが良かったようだな」
「っ、はぁ、はあ、っ、……」
頭を撫でながら彼が言うが、何が気持ちいいのかドルベには全くわからない。ただ、わけがわからなかった。あれを気持ちいい、と思うにはまだ彼女の脳は時間がかかりそうだ。
しかし、あの追い詰められるような感覚は忘れられなかった。
「……あなたは、いいのか」
「ん……では少しだけ、身体を貸してくれ。君の姿を見ていて、恥ずかしい話だが私もすっかり昂ってしまったようだ」
呼吸が落ち着き英雄に問うと、彼はおずおずと前を寛げて性器を取り出した。男の性器なんか普段目にする機会もない上に、大きくそそり勃ったそれが異形に思え、ドルベは思わずそれを凝視してしまった。
まじまじと見られて照れた顔をしながらも、彼はそれをぴたりとドルベの股に当てる。それをじっと見てから、ハッとしたように彼の腕を掴んだ。
「ま、待て!本番はなしだって……」
「解っている。入れはしないさ」
「では、これは…?」
「少し擦らせてもらうだけだ」
英雄はドルベの股に自身の性器を当て、彼女の太股を閉じた。そして股を性器で擦るように腰を動かす。ギッ、ギッと彼が動く度にソファーが音を立てて揺れた。
指のように的確に感じる所を抑えた愛撫ではないから先程のような頭が真っ白になるほどではなかったが、性器が擦れてじわじわと電流が流れ腰に響く。それに視覚的にも擬似的にセックスをしているようで、ドルベの鼓動が高鳴る。
「はあっ、あ…、はあっ…!……ん、気持ち、いいのか…?」
「ああ…。擦れて気持ちいいよ。君は、どうだ?先程よりは強くない分、程よく気持ちいいと感じるんじゃないか?」
「んっ、…そう、いえば……そうかも…あ、っ」
「……最後、君の胸に出してもいいかい」
「何故っ…?……別に、…ん、っ構わないが……」
「なんとなくだ」
英雄の動きが速くなった。ドルベの乳房をガシリと掴み、その先端を指で弾きながら、セックスをする時のように小刻みに動いて性器を彼女の股に擦り付ける。
先走りが出ているのだろう、ぬるぬると滑りが最初よりも良い。亀頭で敏感な芽の辺りをグリグリと擦られて、ドルベは顔を歪めて身体を震わせた。 また、あの追い詰められる感覚が迫る。
「あァッ!くるぅ!くる…あっ!ヒィッ!んんっ!」
閉じた脚に力が入る。ピンとつま先が伸び、ドルベは息を詰めた。目の前が弾けると同時に、思い出したように荒く呼吸を繰り返した。
「はぁ、…イッた?震えている」
「ふうぅ、っ……もう、だめ……でも、あなたは…まだ、なんだろう…?」
「では、胸を貸して欲しい」
脚を解放し、彼はまだ勢いを保ったままの性器を今度はドルベの白い胸に当てる。先程の行為から、なんとなく彼のしたいことがわかった。双つの脂肪でそれを挟んでやると、圧迫されて気持ちいいのか、「うっ」と呻いて仰け反った。
「こういうことだな」
「は、ははっ…ご名答。どうやら私はここが好きなようだ」
先程よりも彼のモノが近く、なんとなく気恥ずかしい。しかし乳房を揉むように押し付けたり擦ったりしてこれに刺激を与えてやることで英雄は身体をヒクつかせたり呻いたりと面白い反応を示した。
英雄がゆるゆると腰を動かすのに合わせ、ドルベも性器を挟んだ乳房を動かす。彼の息遣いが荒くなり、腰を動かす速度が上がった。
「あ…く、ぅ……っ!」
「ぅ、わっ!」
英雄が呻き、ビクッと腹筋が震えて乳房で挟んでいたモノの先端から白い液体が飛び散り、彼の性器を見ていたドルベの胸と顔を汚した。
「あっ…すまない……」
彼はしばらく眼を閉じて余韻に浸っていたが、ドルベのベタベタになった身体に気付き、慌てて上から退いた。ティッシュを片手に彼女の元へ戻り、丁寧に拭いてゆく。
全て拭き取ると、全裸でソファーに横たわる彼女の頭を撫でながらドルベがドキッとするあの笑顔で微笑んだ。
「君のお陰で、満足した…ありがとう」
「そうか。なら、よかった」
「初めて、だったんだろう?怖くなかったか?」
「緊張はしたけど、大丈夫だ…と思う……なんだか、変な感覚だった…」
「しかし君の身体が良すぎて…君と過ごす中で私がこれから我慢できるかどうか」
真面目な顔で考え込む英雄がどこか滑稽に見えて、ドルベは小さく噴き出した。
歴史に名を残す英雄も、女を目の前にすれば煩悩に悩まされる一人の男なのだという一面を垣間見たような気がした。
「お、笑った」
「だって、あなたが真剣に悩むのが何か変で。私に遠慮しているのか」
「男にそんな眼で見られるのは嫌…ではないか?」
「……今日みたいに、少し身体を貸すなら…痛くしない、なら」
「本当か?」
「だって、我慢してるとあなたの性欲が発散できないだろう。それに、あなたは赤の他人ではないし…というか、自分でもあるし。大丈夫だ、と思う……」
思いの外恥ずかしくて、最後の方はほとんど声に出ておらず、もごもごと口の中に音が籠った。しかし彼はしっかりと聞き付けたらしく、ガバッと勢いよくドルベを抱き締めた。ぽよんと跳ねた、柔らかい谷間にその顔を埋めながら。
「ありがとう。ここでの生活が、充実しそうだ」
こういう関係は、俗になんと言えばいいのだろうか。近親相姦?自己愛?よくはわからなかったが、人には言えないような秘密がまた増えてしまったというのは確かだ。
それでも、彼が満足するなら。処女は流石にあげられないが、身体を貸して性欲を発散させてあげるくらいならできないでもない。
今まで触れてこなかった性に対する興味をそんな言い訳で包みながら、ドルベは自身の白く大きな胸を堪能する彼を見てまたクスリと笑ったのだった。
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タイトル迷子なお話(爆)
ちっぱいもいいけど、私は巨乳が大好きです!
巨乳の魅力を語るところ、既視感めいた何かを感じると思ったらアレだ、枕草子ですね。
ドルベの好きな人ついては特に考えてなかったです。
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