虚無の空に散る
※英雄が死姦される話。
それなりにグロめなので注意です。
国で反乱があったと報を受けたのは帰郷し、親友の戦に加勢していた時だった。私は大事な局面での急な報せに動揺した。
「こんな時に……!」
この軍には今指揮をするべき将がいない。
王自ら、単騎で敵軍へと向かってしまったためだ。彼を取り戻し敵軍を叩くために全面的な戦争が始まったーーーその直後の報せだったのだ。事は一刻を争う状況だ。
しかし私がここで離脱すれば、軍はどうなる。王不在の軍をここで見捨てるわけには。それに、親友の安否もまだ確認していない。
国への忠義と親友への義心の間で私は板挟みになり、決断に苦しんだ。
「英雄殿!」
舌打ち、戸惑う私に声を掛けてくれたのは親友の近臣であった。彼らはよく王に仕え、政治面でも戦の方面でも優秀に働き、王を支えてくれていた。
「ここは私共にお任せして、国へお帰りください!」
「しかし……」
「英雄殿にはここまで加勢に来てくださり、感謝してもし尽くせぬ程です。あとは私達にお任せください!必ず、王を取り戻してみせます!」
ああ、親友は素晴らしい部下を持ったものだ、と私は感嘆した。必ずや王を取り戻してみせるとの篤い忠義で光る彼らの瞳。
私は、この場を彼らの強い意志に任せることにした。
「心遣い、感謝する。では、私はここで離脱させてもらうよ。皆、ありがとう!」
「英雄殿、お気をつけて」
「ああ。皆の武運を祈る」
そうして私は国を目指し、愛馬ペガサスを空へと走らせた。
国への帰路の中で、親友の無事と、国の無事を祈る。そして、共に戦った騎士達の顔が思い浮かぶ。
国の為に共に死線を乗り越え、共に剣を鍛え、同じ釜の飯を食べて来た……かけがえのない仲間だった。
(何故謀反など……。私達は共に戦った仲間ではないか。……いや、きっと説得してみせる。彼らならば、きっとわかってくれる)
唯の、一時の気の迷いに違いない。私は彼らが謀反を起こす人間であるなど、到底思えなかった。必ず、眼を覚まさせる。その一心で私は空を駆け続けた。
帰国したドルベを待ち受けていたのは暗雲に包まれた空。まるでこの謀反を嘆き、国の行く末を案じているようであった。
彼は城の手前にある丘へと、ペガサスを誘導した。そこには謀反を画策し、反乱軍を結成するための兵を募っていた首謀者である三人の騎士達がいた。
ドルベはその騎士達の前に降り立った。
「皆、こんなところで何をしているんだ」
「将軍!」
顔は鎧で見えないが、聞きなれた声が聞こえた。共に戦場を駆け抜けた仲間の変わらぬ声にどこか安堵を覚えながら、ドルベは彼らが今起こそうとしていることの無意味さを説いた。ここで、彼らの人生を無駄にしてはいけない。
「私達は共に忠義を尽くし、共に戦ってきた仲間ではないか。何故こんな無意味なことをしようとしているのだ」
「無意味などではありません。この国の王は暗愚なり、国の為に戦ってきた我々こそ国を治めるべき者となるにふさわしい」
「一体どうしたというんだ?君達はそんなことを言うような人間ではなかった。眼を覚ますんだ!」
「もう手遅れです。今この国に不満を持つ者は私達の他にもいる。彼らに召集をかけ反旗を翻せばこの国は瞬く間に陥落するでしょう」
「将軍も、私達の方へ加勢した方が身のためですよ」
国に不満を持つ者が、他にも……?
ドルベは生じた迷いを払うように首を振った。あんなに眼を輝かせて、この国の未来を、希望を語り合った彼らがそんなはずはない。
ドルベには彼らを疑うことなど出来なかった。記憶を辿れば、思い浮かぶのは屈託のない笑顔ばかり。その笑顔が嘘だったなどと思うことは出来なかったのだ。
自分の記憶にある本来の彼らを信じ、あくまで彼らの良心に呼び掛けることを選んだ。
「私達はこの国の未来を背負う騎士じゃないか!国を守り、共に忠義を尽くすと誓い合った、あの誓いはどこへ行ったのだ。誇りに燃えた、かつての君達はどこへ行った?君達は唯何者かに唆され一時の気の迷いを起こしているだけだ。まだやり直せる。私と共にやり直そう!」
騎士達は互いの顔を見遣った。声が届いたか……。そう思いながら、彼らの挙動をドルベは静かに見守る。
しかし次に彼が眼にしたのは剣を抜き自分に向けて構えた騎士達の姿だった。
「将軍を仲間に引き込むことが出来れば、事はもっとうまく運んだのでしょうが……」
「我らの目的を妨げるとあっては、例え将軍でも容赦は致さぬ」
「目障りな英雄殿にはここで、舞台から降りて頂きましょう」
言うや否や、騎士の一人が斬りかかって来た。ドルベは咄嗟にそれを避ける。別の方向からまた一人。三人に囲まれ、刃を向けられた。
避け続けるには限界があった。ドルベの剣の腕なら、この三人を返り討ちにすることはできなくもなかった。何より、この身が危険に晒されている。無意識に、腰の剣へと手を伸ばしていた。
しかし、ドルベはそれを抜くことは出来なかった。柄に掛けていた手をそっと下ろす。そこに、白刃が降り下ろされた。
「ぐっ……!っは……!」
鎧が割れ、血が迸った。急所はなんとか避けた。出血でふらつきながらも尚、騎士達を見据える。
「眼をっ……覚ませ……!」
無抵抗のドルベに、白刃は無慈悲に降り下ろされる。再び身体が貫かれ、ドルベは血を吐いた。
足元がふらつき、視界が霞む。死はもうすぐそこまで迫っていた。
ドルベが死を覚悟したその時、力強い馬の嘶きが聞こえた。次いで白い影が、ドルベの目の前に現れたのだ。
「マッハ……!」
肉を斬り裂く音。迸る飛沫。空に舞う白き羽根。凍りつく時の中で崩れ落ちる肢体。
英雄が見た、愛馬の最後の姿だった。
「マッハ!」
彼はその身を賭して主人を庇った。血に塗れながらも尚、眼は主人の方へと向いていた。
『逃げてください……お逃げください……!』
ペガサスの濁りゆく眼は、主人にそう言っているようだった。ドルベは逃げることも喚くこともなく、静かに彼に手を伸ばした。
その身体は既に冷たく、彼は事切れていた。
どうして彼を置いて、逃げることができようか。ドルベは彼の身体に伏した。ドルベの勇敢な脚となり、どんな時も共に駆け抜けたペガサス。英雄の名は彼があってこそであった。
彼が死んだのは自分のせいだ。英雄はかけがえのない戦友を喪ってしまった。自分にもっと、力があれば、死なせずに済んだのに。彼を守れる程の、力が。
失意の中で彼の灯火もまた、尽きようとしていた。 悔いても悔いても、どこから悔いればいいのか彼にはわからなかった。
剣をもって彼らに立ち向かえばよかったのか。そもそも、故郷へと帰らなければ彼らを喪うことはなかったのか。彼らを、信じなければよかったのか。
いずれにせよ、過ぎ去った時を戻すことはできない。ドルベは自分の非力と愛馬の死を薄れゆく意識の中で嘆きながら、緩やかに時を止めていったのだった。
「往生際の悪い。私達に力を貸しておけば、命を落とすことなどなかったのに」
騎士の一人が、ドルベの髪を掴み顔を上げさせた。彼の常に強く前を見据えてきた眼は瞳孔が開いており、光を失くして暗く濁っていた。
「惨めなものですね。かつての仲間に裏切られ無抵抗のままその命を喪うなんて。英雄の最期とは思えぬ程だ」
騎士は動かず何も反応を示さぬドルベの身体をペガサスの後ろからから引きずり出した。
「おい」
「血に興奮してしまった。どうせ将軍は死んで動かない。今なら意のままだ」
「いいな。将軍の身体、一度犯してみたかったんだよ」
騎士の一人はそう言いながら英雄の割れた鎧をその身から剥いだ。白く、鍛えられた身体には傷が深く刻まれ、赤い血を滲ませていた。
彼は自分の男根を取り出し、その傷に擦り付けた。彼は円を描くようにドルベの身体に男根で血を広げていく。奇異なその行為が興奮剤になるのか、彼は血に塗れた男根を段々と勃起させていった。
別の騎士は硬直が始まったドルベの股を開いた。固い尻の穴を抉じ開け、自らの男根を埋め込む。その重量に耐えられず、ドルベの穴が裂け血を流した。しかし彼は何も反応せず、ただ揺さぶられるまま。
騎士はドルベの腸壁に男根を擦り付けるように腰を動かし、中を犯した。
「死体は固いから締まりがいいな。すごく気持ちいいですよ、将軍。最高です」
「おい、抜け駆けかよ。じゃあ俺はこっちだ」
さらにもう一人の騎士はドルベの、半分空いたままで血を流していた口を抉じ開けた。こちらもすでに硬直が始まっており、固くなっている。顎の関節が外れるような音と共に、彼の口が開いた。
騎士はまだ湿っているドルベの口に、二人の行為を見て猛った男根を入れた。舌も喉も動くことはない、そこは唯の空洞。しかし舌が触れ、それで撫でられる感触はあった。騎士は真上から彼の喉深くまで男根を突き立て、自慰のような口淫に興奮を高めていった。
「二つとも占領されてしまったなあ、どうする?」
「何言ってんだ、まだあるだろ、ここに」
最初に男根でドルベの身体を撫でていた騎士は、彼の腹に眼を向けた。そう、そこには先程剣で貫かれた、その傷があったのだ。
騎士はその傷にもう一度剣を突き立てた。衝撃でドルベの身体が声無く跳ねた。構わず、剣で傷を捏ね繰り回す。グチグチと肉が抉られる音が血と共に剣に絡み付いた。
剣を引き抜くと、そこにはぽっかりと赤い穴が空いていた。騎士は、その中へと昂った男根を差し込んだ。
「あ、すごいこれ……中がすごい絡み付いて来る」
腹の中でかき混ぜるように腰を動かすと、ブチブチという音と共に男根に腸が絡み付いた。まるで蛇のように絡み付き、程よく締め付けるそれは奇妙な快感を生む。騎士は我を忘れてドルベの腹の中を穿ち、かき混ぜた。
3人の騎士達はそれぞれ思い思いに、仲間であり憧れでもあった英雄の身体を犯し、白濁で彼の身体を汚していった。
強く、また勇敢であった彼をこの手に堕とし支配しているという錯覚と、死体を犯しているという倫理を外れた背徳感。そして、生身の人間では味わえない硬く冷たくなった身体を無理矢理拓いたその具合が彼らに抗えぬ快感を与え、また征服感と歓喜を生み出していた。
失意の中で光を失った英雄の瞳には、変わり果てた仲間の姿が悲しげに映し出されていた。しかしそれを仲間と呼ぶ彼はもういない。英雄は悲鳴をあげることもなく顔を歪めることもなく、彼らが自らの犯した罪に気づくまで、ただ静かに犯されていたのだった。
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英雄の最期を妄想してたら闇のフィールが高まってこんなことになりました。
「あれ、3人じゃ挿れる穴足りないじゃん」
↓
「傷 口 に 挿 れ れ ば よ く ね ?」
という謎イメージからできた小説です。
本当は生首フェラも考えてました。首の断面から精液が滴り落ちるみたいな。
でも「死んでる」っていうのを全面的に押し出したくなかったので生首はやめました。
いろいろとひどいのでちょっとノーブルデーモンお供えしてきます。
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