■ stskでハロウィン02

誉に連れてこられたのは弓道部ミーティングの場。私弓道部じゃないけどいいのかしら、と思いながらも錫也から貰ったクッキーを頬張る。今の誉に楯突く気はない。自殺行為だろ、それ。

「名前先輩こんにちは。先輩はいつもお菓子を食べてますね。」

『育ち盛りだからな。龍食べる?錫也作だからうまいよー。』

「いいんですか?ありがとうございます。でも甘いものを食べるのはいいと思います。」

『ほら、いいって言ってるじゃん。なのに誉ったら怒るんです。酷くね、』

「そんな事で怒るわけないでしょ。別に僕はお菓子をもらった事にも食べてる事にも怒ってないよ。」

『冗談でしょうが。』

「また先輩なにかしたんですか。ロシアンクッキーといいろくなことしませんね。」

なに!!ハロウィンだってのに今日は後輩が冷たいんですが。なにお菓子あげないから悪戯ですか?それともただのいやがらせ、いじめですか?

『私は悪くないもん。…はい、すみません。私が悪いから笑顔で圧力掛けないでよ!』

「聞いたら皆怒るよ。東月くんにキスされそうになったんだからもっと危機感を持ちなさい。冗談だとしてもね。」

『イエッサー、で、皆お菓子ください。ハロウィンだよ!プリーズ菓子!お菓子!お菓子!お菓子!』

「あーもう!うるさいですよ。わかりましたお菓子あげますから僕は先輩にキスしていいですか?」

「木ノ瀬!なんでそうなるんだ!今部長に怒られたばっかりだろうがっ。」

だって先輩だけなにかをいつももらうのはずるいです、と正論をおっしゃった。確かにってか、普通先輩がなにかあげなきゃなのかも。でもクッキー食たべちゃった。…食べ物もうない、菓子ない…。

『…、』

「先輩!僕が悪かったです!名前先輩は食べてればいいんです。えづけされてればいいんです。なんか先輩から食べ物を奪うのは良心が痛みます…。」

「名前って小動物みたいだよね。はい、お菓子。」

「完全にペットですね。そういえば先輩はなんの仮装をするんですか?」

『あ、忘れてた。』

作るのが面倒で先生にお願いしていたのだ。取りに行かなくちゃと席から立ち上がれば梓に迷子になっちゃ駄目ですよ、と頭をなでられた。完全にペットにされたな。先輩の威厳はどこに。初めからないのかな、なら仕方ない。


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