■ stskでホワイトデー01

天文科に顔を出せばざわ、っと声があがった。え、そんなに私が2年の教室にくる事は意外ですかね。まぁ、3年だしあんまりこないけども。うろうろはしていても教室に入ることはないしな。しかしどーしたもんか。

「あれ、名前先輩。どうしたの?」

『今気づいたんだけどなんで羊日本にいるのかな。もういな、はい気にしません。はいこれ。お返し。』

「タルト・タタンだ!!メルシー。美味しくいただくよ。錫也たちは今、あ、来たよ。」

「あ、名前先輩。そっか、今日はホワイトデーか。」

「俺にもある?」

お前くれなかったくせによ。貰う気満々かよ哉太め。まぁ、ちゃんと用意してる私ってなんていい先輩なんだろ。後輩には甘いからな。あげなかったら拗ねそうだし。

「クッキーか、普通だな。」

『そうか哉太ー。お前はそんなに鉄拳が食らいたいかー。一樹に教えてもらった名前先輩の鉄拳を食らいやがれ!!』

「スミマセン!!いや、嬉しいですけど!!」

「あ、でも味違うんだな。手が込んでるぞ、哉太。」

『ロシアンクッキーです。哉太にはハズレが多めなんでお腹壊さないでね。』

「腹壊すもんがあるのかよ!!」

「名前、僕も食べたい!!ようはハズレを当てなきゃいいんでしょ?」

ニコニコと笑う羊はやっぱり勇者だなぁ。さすがすぎるぜ。なんか錫也が有難うといってアメをくれた。これお返しの意味ないんですけど。まぁ有難う。ハズレの多目、以外は適当につめたからな。害ない味でバリエーション豊富だ。だから羊のにハズレはない。

「あ、名前先輩だ。」

『お、月子!!はいあげる。』

「え、私バレンタインデーあげてないですし、」

『いいのいいの。可愛い女の子はそれだけで価値があるんだからさ。』

「うん!!さすが名前先輩。月子の素晴らしさをわかってるー。」

「ってか月子のチョコを食べたくなくて交換しなかったんじゃなかったけ?辛っ!!」

「赤いな…。匂い的に唐辛子味、かな?」

ハズレだね哉太、って笑えばキレそうだったのでそそくさと逃げました。タダであげたのだから感謝しろ。羊は未だに自分の分の袋をゴソゴソしている。ハズレがそんなに欲しいのか。


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