■ stskでバレンタイン02

錫也からのクッキーを食べて、さて生徒会に向かう。面倒なのであまり行く気がしないが仕方ない。可愛い後輩には会いたいし。そんな願いが通じたのか可愛い声が私を呼んだ。振り向くと天使たちがいる。

「先輩ー!」

『梓ぁああ!!あー、可愛い、まじ可愛い!!もう梓に抱きつくって皆の夢だよね、へへへっ。』

「名前先輩!!壊れてます!!木ノ瀬もさり気に腰に手をまわすなっ、けしからん!!」

「まったく宮地先輩は固いなぁ。で、バレンタインデーに名前先輩から抱きついてくれたって事は期待してもいいんですよね?」

『それとこれとは別。』

「チッ。」

『今、舌打ちが…、気のせいだよね!!誉ー、なんかください。今年は逆チョコだぜ逆チョコ!!』

「逆チョコって去年じゃなかったっけ?」

「しかもそれ自分から言うんですか?」

細かい事を気にするなよ。しかし優しい誉は微笑みながら鞄からチョコをくれた。さすがすぎる。しかも見たことないパッケージ。バレンタイン仕様なのか見た目が可愛い。

「バレンタイン限定みたい。名前は今日来るかなって思って。当たったね。」

『誉っ。さすが私の未来の旦那!わかってるね、ありがと!!』

「えぇ!!名前先輩部長と結婚するんですか!?」

「名前先輩、これうまい堂の新発売なんです。逆チョコがはやってるなら、どうぞ。」

『ありがとー!!龍之助も誉もちゃんとお返しするからね。』

「ちょっとスルーですか。名前先輩は冗談か冗談じゃないかわからないですよ。部長もまんざらじゃないですし。」

『で、梓はなんかない?』

「だから名前先輩自分からねだらないでくださいよ。それに木ノ瀬なら自分を、とか言いそうじゃないですか。」

「そうだね、木ノ瀬くんならありえそうだね。」

確かにこの子確信犯の小悪魔ちゃんだからな。しかし梓をくれる?いや、くれよ!!むしろそれがいいな。キラキラとした目で梓を見ればにやり、と笑った。なにその色気、あんた一年生だよね。

「先輩、僕が欲しいんですか?」

『欲しいね。女装させたいなぁー。きっと可愛いよねぇ、ふりる。ピンクとか自分じゃ着ないからさぁー。』

「名前先輩、僕からはチョコがあるんですよー。手作りですよ、手作り。」

「話をそらせたな…。というか木ノ瀬がチョコ?」

「木ノ瀬くんは料理も得意なの?凄いね。女の子みたい。」

「部長までなにいうんですか!!せっかく話をそらしたのに!!」

『確かロッカーにあずにゃんサイズのふりるな洋服がー。』

誰があずにゃんですか!!ってかなんでロッカーにあるんですか!!もう、ほら部活行きますよ!!と走って行ってしまった。私は諦めないぞ。


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