笑顔を絶やさない、いつでもスマートで自分の本音を話さなくて。それが私にだけ少しずつ心を開いてくれて。それがちょっとずつだけどわかるのが凄くうれしくて私の最近の幸せだったりする。が、会長と翼はそれだけじゃつまらないみたいだ。

「お前はあの顔を崩してみたいと思わないのか!あの涼しげでいつも俺達ばかりなんか損をしている気がするんだが!なぁ翼!」

「そうなのだ!黒板キーキーの刑といい俺達だけ危害を与えられているのだ。そらそらにも一回ぎゃふんと言わせてみたい!」

『おもいっきし復讐じゃん。暇なら仕事したらいかがです?そんなことしてるから颯斗に怒られるんですよ。私の彼氏を一々そんな事で時間とらせないでください。ただでさえ生徒会が忙しくて2人でいる時間が少ないってのに、今度は私がおこりますよ。』

「ぬぬ!なんでそうなるのだ!そらそらの弱点が知りたかったのに名前にまで怒られるなんて!ぬいぬい想定外だぞ!」

「わ、わかった!じゃあ弱点を教えてくれるだけでいいからな。後は俺達が…げ!颯斗!」

「会長、翼君。人の彼女を生徒会室に連れ込んでなにをしているんですか。僕の弱点は教えられませんが貴方がたの弱点は知っていますよ。」

やめろ!という会長の声はむなしく黒板の音が響く。私の腕をひき空き教室に移動する。颯斗に向き合ってから耳の中から耳栓を取れば彼がふんわりとこちらにほほ笑んだ。それにつられ私も微笑み返す。大丈夫ですか、と心配してくれる彼にこの通り!と力こぶを作れば笑ってくれた。

「会長達には僕がきつく言っておきますね。今日は早くきりあげますので名前さん。よければ待っていてくれませんか。」

『うん。あ、聞きたい事が一つ。』

「はい、なんでしょう。」

『颯斗の弱点ってなんなの?そういえば私も知らないなって。』

「知りたいですか?」

いつものようににっこり笑って近づく彼に心臓がいやに音を立てる。触れた部分が熱くなってくるようで顔まで赤くなる。そのままキスを仕掛ける彼の顔は今まで一番楽しそうだ。答えになってないよ、と小さい声で反発も込めていってやればこれが答えです、とまたキスが降ってきて息が止まりそうになる。

「名前さんにキスしただけで心臓が高鳴って他の男といる所をみれば心配になる。それが気の知れた会長でも翼君でもです。僕の弱点は貴方ですよ。全ては貴方で決まるんです。」

『…そ、う。』

「僕の弱点を知って貴方はどうする気ですか?」

これ以上僕を溺れさせて、と囁く声に足から崩れそうになる。それを言うなら私の方なのに。ずるい人、なんて前から分かっていた。そこが好きなのにどうしても抜け出せないのね私。



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