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悪魔の実の本で見た所悪魔は血を操る、という物騒な能力らしい。ペンギンさんとシャチにそそのかれ?頑張って自分の能力を知ろうとローさんの所に来た私です。部屋に行けば不審な顔をされる。そういえば傷の具合を見るから部屋にいろと言われたんだった。もう大丈夫と告げ本題の血をください、と言えば今度はきょとんとした顔をする。それが少し可愛かった。言えないが。
「なんだ、吸血鬼だったのか?それともそういう誘いかァ。昼間から大胆だな。」
『だれがローさんみたいな隈が酷くて不健康でマズそうな血を飲みますか。』
「マズそういうな。」
「違いますよ。船長。ほら、この本見てくださいよ。名前はやっぱ悪魔ですよ。」
『悪魔、悪魔言わないでよ。なんか悪女みたいじゃん。性格いいとはいえないけどなんだか連呼されるのはいやだ。』
「小悪魔系か…。それはそれでいいな。ツンデレっぽいしなククッ。」
『ローさん、気持ち悪い。「気持ち悪い?俺は外科医だ。そういうのは内科に言え。」いや、具合が悪いの気持ち悪いんじゃなくてローさんが気持ち悪いんです。』
「…ばらすぞ。」
『で!なんで血が必要かと言いますと。ほら、ここ。』
「なるほど、悪魔は鳥科なのか。初めて知った。明らかに違うだろ。」
「俺たちもそう思うが問題はそこじゃない。血を動かすと書いてあるから試したい。それで輸血用の血を貰いにきたんだ。能力はなれるまで練習が必要だろ。」
「なるほどな。ペンギンの話のが分かりやすい。というかだなまず血を操るの前に羽をだせ、羽を。俺は構造が見たい。」
『嫌です。私は能力なしで生きますから。目がマジだもん。構造みるだけじゃ終わらない気がする。』
「まぁ、待て気を楽にしろ。すぐ終わる。オペ室はそっちじゃなくてこっちだ。」
『ニヤニヤしないでください!手を離して、ペンギンさん!助けてー!!』
「船長。名前が可哀想だ。そう苛めるな、話が進まん。今後の事も考えて戦闘が出来た方がいいだろう。」
ペンギンさんの後ろに隠れローさんを睨む。この変態が。サディストめ、にやにやして楽しんでる顔だあれは。まずはレントゲンかとぶつぶつ言っているが怖い。そもそもペンギンさんも戦闘ができたほうがいいとか言ってますけど海賊になると合意した覚えはないぞ。その前に羽だ、だせとじりじり近いてくるローさんは恐怖だ。
「俺もみたい!いいから、出してみろよ。その後練習でもいいんじゃねえかペンギン?」
『だからどうやって出せばいいのかわからないんだってば。人の話聞いてますか?ったくシャチまで変な事をっ。』
「お前どんどん口が悪くなってるぞ。あー、船長いつもどうやって能力使ってるんですか?こう念じたりなんかあるんですか。」
「そうだな。能力の事なら能力者に聞くのが一番だ。」
『どうすればいいんですか?(前に念じたんだけど駄目だったんだよな。やっぱり練習あるのみか)コツがあれば知りたいです。』
「出したいと思えば出せるだろ。」
「…随分と適当ですね。」
「んな事言ったって自分の体は自分が一番よくわかるだろ。」
『ローさん医者でしょ。人の体もわからないと「名前のスリーサイズならわかるぞ。」よーし、出してみますね。がんばっちゃうぞー。』
ニヤリと笑ったローさん。やっぱり彼は変態だ。そしてやっぱりスリーサイズを知られていたなぜなんだ。羽羽と心の中で唱えて背中に集中してみるが全然わからない。彼らを見れば溜息をつかれた。あれ、なんだこの敗北感は。ううう、と唸ってみても踏ん張ってみても一向に何も起きない。やっぱり能力者じゃないんじゃないの?まぁ、そうしたら羽はなんだ、ってなるけど。妖怪とか?
「よし、危機感があれば意地でもってでんだろ。名前お前海に飛び込め。」
『え、ちょっと待ってくださいよ。能力者って泳げないんですよね!?新手のいじめですかそれ。』
「お前が能力者だと決まった訳じゃないだろ。泳げなかったら能力者だ。落ちたくなかったら羽がでる。どっちにせよ結果がでるんだ。一石二鳥だろ?」
『(頭おかしいんじゃないかこの人。普通海に飛び込むなんてアイディア浮かばないよ。やっぱり海賊っていきあたりばったりというかおかしい)ローさんのドエス!サディスト。』
「知ってる。いいじゃねえか溺れても助けてやる。」
『ローさんは泳げないでしょ、意味ないじゃないですか。ペンギンさん…。』
「俺が助けてやるから安心しろ。」
『いや、そもそもそういう問題じゃなくてやり方に…、シャチ!』
「羽見たいしな。」
「諦めろ。」
私の話も聞かずズルズルと甲板へ引きずられる。あー、まいったなぁ。樽や荷物を塔のように積んで飛び込み台を作る。そこまでやらなくてもいいんじゃないですかね。絶対助けてくださいよ、とじと目で見れば信用してないのか心外だ、とばかりの声が上がる。あんたらのどこをみて信用しろというのだ。望みの綱だったペンギンさんまでがあっちサイドで悪ノリしているというのに。
『海賊を信用しろって方が難しいんじゃないんですか。ねぇ、本当にやめましょうよ。やりかたなら他に色々あるはずです。』
「お、船長たち何やってるの。お、噂の悪魔ちゃんだ。なになにこの飛び台みたいなの。船長船から下ろすにしてもわざわざこんな高いとこから飛び込みさせなくたっていいんじゃないの?」
「違う。能力を開花させるための特訓だ。こいつを下す気はねぇ。仲間に入れるって決めからな。ツンデレだから頷かねえが。」
『誰がツンデレですか。』
「へぇ…。俺バンダナって言うんだよろしくね。それで自分の能力もろくに使えない子が海賊になろうっていうんですか?」
『別になるって言ってないし能力者にだってなりたくてなった訳じゃないんです。ちょっと今それどころじゃないんで喧嘩売るなら後にしてください。』
「売ってないよ。俺女の子好きだもん。」
『その割には不機嫌そうですけど。とにかく私は嫌で「飛びこまないならそうだな…、」飛び込みます!』
「まだ何も言ってねぇ。」
『ローさんの目が怪しいので。犯すとかの下ネタ系にしろ解剖とかのグロ系にしろ嫌なんで。ちゃんと助けてくださいね。』
「ああ、『ローさんにいってません。どうせ泳げないじゃないですか。ペンギンさん頼みました。』…。」
「あぁ、心配ない。ちゃんと助けてやる。」
ローさんは不機嫌そうにしてるしバンダナさんは笑ってるけどなんだか怒ってる。この人よくわからん。シャチにいたっては早く羽が見たいとわくわくしてる。飛び込み台に登り深呼吸をする。行きます、と言ってから少しジャンプするとフワリとちょっとした浮遊感。落ちたくないという気持ちと羽あんならでてよ、というのが頭をよぎった時バサリと音がした。名前!羽でてるぞ!という声がしてびっくりする。
『まじか!?え、ちょっ、これどうやって飛ぶ、』
「飛び方知らなかったぁああ!落ちたぞあいつ!!おいペンギン!!」
「あぁ!!タオル広げとけ!」
「ククッ、普通羽だしといてあそこで落ちるか?あいつ本当に面白いな。でもこれで能力者で悪魔って事がわかったな。綺麗だろ、バンダナ。」
「羽が、ね。俺女の子は好きだけど船に乗せるのは反対。しかもあの子俺の笑顔に騙されなかった。上手く隠してたつもりなんだけどなぁー。」
「くくっ、そういうとこ含めていいんじゃねえか。嫌なら関わらなくてもいいが支障はだすなよ。」
「へーい、さてどうしてやろうかなー。」
「バンダナやめろよな。船長もちゃんととめなきゃ可哀想ですよ。お、上がってきた。名前ー、大丈夫か。ほら、タオル。ペンギンも。」
『ごほっ、(いつの間にタオルなんて用意してたんだっ。私が落ちると確信してたのかっ)なんて奴らだ。でも能力者か。…喜ぶべきですか?』
「一応喜んどけ。へー、やっぱりおもしろい構造だな。見せて見ろ。」
『いやです。なんですかその手は、近づかないでください。…あの、ローさん。これどうやってしまうんですか?』
【…はぁ。】
能力発揮は飛び台から。
(しまえないなら構造は見放題だな)
(シャチ!ペンギンさん!しまうの手伝って!!)
((いや、どうやって。))
(バンダナさんが馬鹿にしたように笑った!)
(笑ってない笑ってない)
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