はちみつ色の失恋

俺の大切なもの。テニスと先輩たちと漫画とゲームと…。言い出したらキリがない気がないけどテニスと部長とか先輩たちとかは本当に感謝してる。口にしてなんか絶対言わないけど。俺はあそこが結構気に入っていたりする。そんな場所が幸村部長の入院で少し変わってしまった。負けないと誓った。あの日から名前先輩は泣くことも弱音も全てをやめた。

「名前先輩!部長の具合どうでした?昨日俺も行きたかったのに仁王先輩と丸井先輩が邪魔すんなとか言って…。」

『あら、気を使わせちゃったのね。ごめんね赤也。じゃあ明日は一緒に行こうか!精市も頑張ってるよ。私も頑張らないとね。』

「ッス!絶対勝ちますよ俺。」

頼もしいなぁ、とちょっと子供扱いでも優しい笑顔を俺にむけてくれる。この優しさがあれば部長も大丈夫な気がした。お似合いカップル。それは部内でも学校でも皆が思ってる事でそれはこの俺が一番わかってる。名前先輩の隣には部長が似合ってる。俺は2人が笑っている所が本当に好きだ。なんだか俺まで幸せになれるから。

「名前先ー輩!俺絶対勝ってそんで部長が戻ってきて名前先輩が嬉し泣きしてそんで、2人が笑ってるとこ早くみたいんで頑張ります!」

『赤也…、ありがとう!絶対勝とうね!精市が帰ってくるまで!帰ってきたって勝とうね!』

「ッス!」

背を向けて走り出す。なんだか泣けてきた。好きだ、どうしようもなく。でも本当に部長の隣を願ってるのも事実なんだ。自分の事なのにわけがわからない。失恋したのに嬉しくて幸せで、自分が情けなくって。笑っていてほしいなんて切実に思う。こんな気持ちになれて俺は凄く凄く嬉しくてまた泣いた。





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