01

目を開ければ真っ白な世界が広がる。辺りはすべて白、白、白。上なのか下なのかわからない。ずっとずっと地平線の果てまでその景色は続いていて不思議だ。

1『ここどこ?うち、確か…、』

2『あれ。名前だ。』

1『複主2の名前!!?あれ、なんで!?あー、とにかく複主2の名前がいてよかった!ここどこ?ってかなんなの!?』

2『知ないよ、見ての通り同じ境遇な訳だしこんな所知るわけないでしょ。』

ですよねー、でもさっきまで英語の授業だったのにと呟くうちにいいじゃんサボれたんだし、と呑気に言う複主2の名前。そういう問題じゃない!わかってる!?どこかもよくわからない所に放置されているんですよ。

2『それにしても真っ白だなぁ。終わりはないのかな…。名前、ちょっと行ってこい。』

1『えぇ!?終わりがなかったらどうすんの!?ってかなんでうち、いや、2人しかいないけれどもっ。一緒に行こうよ。』

2『終わりがなかったら飢え死に?まぁ、道もない訳だし迷うことはないよ。ってかすでに迷ってるし。めんどいから私は待ってるよ。』

1『これ以上迷ったらどうすんの。複主2の名前とはぐれたらもう会えないかもよ?それでもですか!!めんどいって。』

まぁ、こんな広い所でバラバラになったら会えないかもね、と淡々という彼女。なんでそんなに落ち着いているんだと問う。しかもちゃっかり座っちゃってる。のんびりしてる場合じゃないんだよ!!一刻も早く脱出しようよ。

2『コンクリートでもなさそう…。どっちかというとプラスチックに近い。人工的なものかな?』

1『あ、のんびりしてた訳じゃないんだね。なにかなー、ここ。なんかのテレビ番組でどっきりとかじゃない?』

2『こんな真っ白ななにもない所のどこにカメラ隠すんだよ、馬鹿。それに人の気配ないしドッキリならもうなにか仕掛けてるはずでしょ。』

はい、馬鹿な事言ってすみません。なんかイライラしてますね…。落ち着いてくれと思ったが彼女は落ち着いているので自分に落ち着いてと言い聞かせていればどこからか声が聞こえてきた。やぁ、諸君。という男の声に2人しかいないのに諸君かよ、ってか、お腹すいたなどとマイペースの彼女は本当に凄い。いや、誰とかなんか他にない訳ですか?普通。いい香りは心身を安心させるよ、とポンとオレンジが2個でてくる。どこからかは謎。本当に急に落ちてきたので上をみるが真っ白世界が続いているだけだ。ここまでくると本当に現実味がない。

1『凄い凄い!!なんでもだせるんですか?どういう仕組みなんだろ。』

【まぁな、なにかリクエストはあるかな?叶えてあげようか。私は凄いから!】

2『金ください。』

【『複主2の名前…。』】

2『なにさ。で、ここどこですか。あとなんで名前知っているかちゃんと説明してもらいましょうか。拉致ですか、監禁ですか、理由は。』

あくまで冷静で、淡々と言うと怖い。いやそりゃ気になるし怪しいよね。でもなんかうちが馬鹿みたいじゃん?いや、うちは普通だよな…、うん。そうだ自信をもって名前!大丈夫。普通はこれくらい騒ぐし私も凄く落ち着いているほうだよね。1人だったらどうだったかわからんが。

【トリップさせてあげようと思ってね。ほら夢だろ、異世界へトリップって。】

2『これはお礼言うべき?名前どうする?』

1『え、行きたいけど!!でもうちは三次元も好きだしそりゃ行けるなら行きたいけど、』

なに複主2の名前。その、えーって顔は。異世界なんて行きたくても行けないもんだよと訴えるとがだってトリップすんのになんで名前…、とぼそりと言った。酷いでしょねぇ!!そんなに私とは嫌ですか。うるさいって、貴方が冷静すぎるのよ。

2『あのね、名前ちゃん。そうやって人を簡単に信じちゃいけないよ。人か知らないが、将来詐欺にあう【私は神だよ。】ほら、わかった?絶対怪しい人だよ。神とか有り得ないじゃん。自分で神っていう?馬鹿かこいつ。』

1『確かにっ。まぁ、怪しいしトリップなんて有り得ない。でもここの説明が、』

2『夢だろ。どっちかの夢にどっちかがでてる。あれじゃん名前いつも授業中寝るじゃん。きっとそうだよ。気にすんなって。』

1『夢見るほど爆睡はしないよ。ってか気になるよ。ここまでリアルだよ。』

だから神だってば!!としつこい自称神様に私神とか信じないんで、とバッサリ切る名字。名字はそうだよね。神様に祈るとかしてる暇があったら自分で何とかしそう。でもこの人?が本物ならそれ罰あたりじゃ、

1『でも本当リアルだし頬つねっても痛いし。現実だとしてこの声どっから聞こえるのかな?スピーカーないのに聞こえてるよ。それに神じゃなく現実なら本当に監禁とか拉致問題だよ。』

2『世の中不思議なもんだね…。でもほら今ってなんでもありだよ?ロボットが受付とかしちゃうし最新レベルならいけるんだようん。時代も進化した。』

1『複主2の名前どうでもいいんでしょ。』

2『まぁ、うん。お腹すいたし眠いし。もういいんじゃね。勝手にさぁ、トリップでもなんでもしちゃえばよ。いっちゃえよ。』

【なげやりだな!異次元にトリップさしてやるんだからもっと神に祈って!!】

2『調子にのんなよ。てめぇの事なんざ信じてねぇよ。それになんで上から目線なんだよ。こちとら頼んでないんだよ。』

【スミマセン…。】

神弱っ!!そんなんでいいのか?しかしどこにトリップするのかな?と疑問を呟けばそれは君たちが決めるべきだとちょっと親切な事を言った。確かにいきなり戦争時代とか送られても何にも出来ず即死だ。元の世界に帰してくれないかな?自称神ならできんだろとい複主2の名前に勿体ない、と神が反論する。

【トリップできちゃうんだよ!?退屈な日常から抜け出せるんだよ!?ってか自称じゃねからぁああ!】

2『でも、それってもう帰れないって事でしょ?(というか怪しすぎるだろ。大体こいつ信用ならないし生理的に受け付けない)』

【それは君たち次第。で、どこに行くんだい?さっさと決めてくれないと俺これプライベートだからさ。】

1『ってかなんでうちらなの?もしかして他の人もなってるのかな。わー、どうしよっか!』

2『知らないよ。名前はどこがいいの?さっさと言って帰ろうよ。色々この場所については疑問が多すぎるし。本当に胡散臭いし、この人…。』

1『まぁ、言わないと終わらなさそうだし。どこがいいかな。戦いとか危険じゃなくてうちらが2人とも知っているところとか。』

2『うちらにとってすでにここが危険なんですけどね。』

【そんな事ないだろー。神が君たちを守るさ、信じて!きっと悪いようにはしないよー。】

1『なんか信じてた神がこんなんだったとは。悲しみでいっぱいで言葉がないようちは。』

2『な、信じない方がいいんだって。結局は何事も自分の力だよ。』

1『桜蘭とかは?授業も受けれるから帰った時に遅れとらないし。あ、でも授業のレベルが違いすぎ、』

2『トリップすんだったら勉強なんかしないほうがいいけど、さぼればいっか。名前も桜欄ならわかるし。』

【了解した。名前よ、複主2の名前を頼んだぞ。…複主2の名前、名前を頼んだぞ。】

1『ちょっと!今うちに頼んだじゃん!なんで間をおいて小声で頼むのよ。』

2『名前じゃ頼りないんでしょ。もしトリップしたらやりたい放題やっていいのかな?どうせ現実じゃないわけだし。誰か罵るとかパシるとかぶん殴るとか人殺しとか『ストッープ!複主2の名前!殺人になるのは駄目!』

【危険じゃない所を選んで自ら危険に行くのはどうなんだ?とりあえず複主2の名前は向こうに行ってその性格を直しなさい。】

大丈夫、私すべてをそつなくこなすしという彼女は確かにその通りで心配ない。自分の事を心配しないと思う反面面白い夢だったな、と少し笑えてきた。本当に現実なのかな?と考えていたら急に周りの白がぐにゃりと変化した次の瞬間光に体が包まれた。なんだったのだろうか。




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