09

放送でどっかで聞いたこと
ある音楽が流れる。
それを右から左に流し
友達の話に耳を傾けながら
卵焼きをつつく。

「名前さ。
最近悠太くんたちとよくいるよね。
どっちかと付き合ってる?」

『…え?』

ポトリ、そんな効果音が
似合う感じで卵焼きが落ちた。
あぁ、もったいない。

『…えっーと。
それは悠太か祐希のどっちか?』

「え、じゃあ塚原?」

『なぜ要?』

「「「橘はないと思うから。」」」

「名前はテンション
低いじゃん。」

「橘とはテンションの差がね…。」

「ってか並んで絵になるのが
あの三人かなー。って。」

『誰とも付き合ってないよ。』

「「「なんで!?」」」

なんでって…。
幼稚園より前からの幼なじみだよ!?
なんかそういう感じに
思えないようなー。

「幼なじみだからとかなしね。」

『心読まれた!!?』

「でも最近まではあんまり
学校ではなさなかったじゃん?」

『まぁ、お互いそういう年頃ですな。
人生山あり谷あり。
色々あるんじゃないですか?』

「なにキャラ!?」

『最近はー、あれだ。
千鶴が転校してきたから話す
ようになったかなぁー。』

「でもメールしたり
電話したりするでしょ。
家で話したりとかさ。」

『まぁ、隣だしね。』

「それで進展はないわけ!?
せっかく学校のアイドル双子と
幼なじみでしかも家隣!!」

「向こうも名前を
気にかけてる!!
どうも思わないの!?」

「ときめかないの!?
私ならご飯3杯はいける!!」

『いや、なんの話し?』

「だから浅羽兄弟は
おかずじゃなくて主食だよ、
って話し。」

「漬け物じゃねぇよ、
って話し。」

「朝からご飯でいけちゃうほど
素晴らしいって話し。」

『いや、朝からご飯3杯はちょっと…。
…でもまぁ、最近はね。
きょりか…ん…てきな…。
なんかものっそいガンミ!?』

「たとえば!!」

『あのー。なぜ皆さん
そんなに楽しそうなの…?』

「だって他の女子が
くっつくなんて許せない!!」

「ってか恋愛にあんまり興味が
ない名前とくっついて
ほしいと言うか。」

「2人が並んだ所が絵に
なるから見たいっていうか。」

「「「名前顔だけは
いいから。」」」

『おい。それ本人目の前にいうか?』

「自分で性格いいと『思ってない。』
とりあえずあんたは誰が好き
なのか行ってきて!!」

『はぁ!?今から!?
…皆さん明らか楽しんでるよね!?』

「「「まぁね☆」」」

むかつくわ。
って事でですね。

『…やぁ。』

「「…どうしたんですか?」」

「名前ちゃんが昼休みに
来るなんて久しぶりですね。」

『ま、まぁね…。
教室追い出されました。』

「なんで?」

『まぁ、あれだよ。うん。』

「あれってなんですか?」

アニメージュを見ていた
祐希とその隣で肩を貸している
(というか無理やり祐希に
乗せられてる?)
2人と目があった。

『くっ。』

「ちょっとちょっと。
なんで俺たちの顔見て笑うん
ですか。」

「祐希…。なんかした?」

「え?俺?悠太かもじゃん。」

「俺?…なにかある?
俺に笑える所はないよ。」

『いや、ちがくて。
お昼のトークがさ。』

「ガールズトーク!!
俺っち興味あるー!!」

『千鶴は…。』

橘はうるさいし。
とか言ってたよね…。

『…かっこいいって…。』

「名前っち!?
なんで目をそらすの!?
絶対嘘だよね!?
ねぇ、目を合わせて!」

「で、悠太たちはなに
言われたんだよ。超気になる。」

『浅羽兄弟はおかずじゃなくて
主食でいけちゃうよね、
って話し。はは、ふふ。』

「大爆笑じゃないですか。
意味わからない。悠太わかる?」

「いや…。
まぁ、おかずじゃなくて
主食なんだから
誉めてるんじゃない?」

『誉めてる誉めてる。さかも朝から
ご飯3杯いけるってくくっ。』

「笑い事じゃないよ。名前。」

「…ご飯3杯。
朝からよく食べるね。」

『え、そこ?祐希。そこ?』

「そうだよ、祐希。
朝からご飯3杯なんて1日胃が
持たないよ。」

「いや悠太も違うだろ。
お前はどんだけ
母親ポジションなんだよ。」

「要くん…。
女の子って朝からそんなに
食べるんですね…。」

「は?」

「そうなの!?だから胸がボンって、
は!?でもメリーみたいに胸が
ない奴は!?」

『2人とも…。
んな訳ないだろ。あと千鶴。
お前はいっぺん逝ってこい。』

「どこにィイ!?」

「春。例えだからな。
本気にすんな。」

『まぁ、確かに朝からご飯3杯も
無理だな。朝はパンの人もいるしな。
その場合は…。ジャムか?』

「いや、何キャラだよ。お前。」

「で、結局何だったんですか?」

「そうだよね。」

『いや、最近仲がよくなったよね。
って言われてさ。
まぁ、そうだよね。って話し。』

「「「「…。」」」」

「名前…。
その話のどこからご飯3杯に
いくんだ?」

『…要。女の子は色々あんの。
私もよくわからないし。』

「名前は俺たちと
いたくないんですか?」

『いや、別に。』

「俺たちとしては
いつでも大歓迎ですよ。」

『…。』

悠太と祐希がいった後に
皆を見回すと千鶴と春は
笑ってた。
要は本を読んでたけど
片手をヒラヒラとあげた。
つまり皆私を大歓迎なんだ。

『…。こういう距離間も
いいかもね。』

「だね。
なんか幼稚園みたいですね。」

「あー。いつも一緒に
いましたよね。」

「懐かしいですねぇ。
昔から祐希くんと悠太くんと
名前ちゃんは一緒でしたよね。」

「ってか2人が離さないんだろ。
いい加減名前離れしろ。」

『なにその親離れみたいな。』

「嫌ですよ。
俺たち名前の事好きだし。
ね、悠太。」

「だね。祐希。」

『…え?』

「「「「…。」」」」

『あのー…。千鶴?』


「「「え?…。」」」

「いいよ、いいよ。
俺だけ幼稚園違うとか拗ねて
ないから。」

いや、明らか拗ねてるし。

「祐希、悠太。
ドンマイだなー。くくっ。」

「「…。」」

「千鶴。ちょっと面かしな。」

「ゆっきー!?なんでそんなに
怒ってんの!?要っちー!!
笑ってるゥウ!!ゆうたーん!!」

「祐希。俺も加わります。
(告白流されたし。)」

「まじドンマイ。」

『?』

今はこの距離間がいいね。





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