02
さて、なんやかんやでクロアリ学園に入学することになりました。理事長に会いに行く道でボリスに色々教えてもらう。この学校広すぎる。内装も凄く綺麗だけどお城かよ、って感じだ。そして入学費も教科書代、授業費も寮代も出さなくていいらしい。所属によって違うけど、なんていうボリスはどこからか学園の地図をだした。四次元ポケットとかもってるのかな。あれも猫型ロボットだったし。

「真ん中にでっかい建物があるだろ。これが今いる校舎ね。で、右側から小、中、高、で入り口は3つあるから一番左から入った方が近いよ。」

『なる程。エスカレート式なんだ。まぁ、すっごいおっきいもんねこの学校。地図がでかすぎて困る。』

「迷わないでよ。で、後ろが森になってるだろう。」

『うん、なにこの森。建物があったり迷路があったりするけど。』

「まぁ、校舎から後ろは全部学園の私有地だから。」

『…え、これ全部?後ろの森も?』

「そう。まぁ、ここで所属が関わるんだけど。寮事に場所とか変わるし。寮によって使っていい所とか制限があったりするんだよね。お風呂はその寮の建物とかさ。別館だったりするから。寮は寮で地図もらえるよ。」

『ちょっと…、広すぎだろ。』

「金だけは持ってるんだよね。広いだけが取り柄ってか…。アリスが、だから銃とか大丈夫なのねー、って言ってたけど。まぁ、色々壊しても他の建物で代用したりすぐ修繕されてりするよね。」

あー…、なる程ね。金持の学校って規則緩いとこあるよね。まぁ、不思議の世界だからね。私気にしない!!広いのは楽しいしね。寮の敷地だけでも数個の建物があるってどうなの。しかも一々広い。外国の学校だと思えば…うん。これ車とか必要なレベルだよね。

「んーと、名前は風紀員所属だから…。」

『あ、それな訳?所属ってそれなんだ。じゃあ寮もそれで決まるのね。』

「風紀員所属はこっち。生徒会所属はこっちで寮がわかれるんだけどさ。」

『私、風紀員派って言ったけど入った訳じゃないよ。ってか寮に入る程風紀員と生徒会がいるってどうなのさ。あ、そっか殺し合ってるんだもんね。』

「まぁね。でもアリスは所属してないけど生徒会の寮に入ってるよ。…まぁ、会長さんが無理やり連れて行ったんだけど。所属っていうか派閥みたいなもんだから。」

『あぁ。この学園ってややこしい。もう、どこでもいい…。ペーターと一緒じゃなければ。』

「名前!聞いてる!?」

『…半分聞いてて半分右から左に抜けてるかな。』

「…意味ないじゃん。まぁ、徐々に覚えなよ。はい、校長室。」

あれれ?理事長にあうんじゃなかった?とふと思うとボリスが理事長が実権握ってるんだよ、と教えてくれた。理事長が強いって。ノックをして中に入れば綺麗な女の人が座っていた。え、若くね。普通こういうのっておじさんとかこう年配の人がやるんじゃないのかな。そなたが名前か?と聞いてくるのでかろうじで返事をする。やべえ、見とれてた。

『…あの、理事長ですか?』

「?そうじゃ。わらわはビバルディ。学園の経営者じゃ。」

『…美人さん、若いですね。』

「ふふ。素直な子は好きだよ。特別に名前は広い部屋を用意しよう。いきなり連れてきてすまなかったのう。こんな可愛い子だと知っていればもっと特別なもてなしをしたのじゃが。」

『理事長!!』

「よい。ビバルディとお呼び。」

「広いと言ってもどこも広いぜ。それに名前は風紀員派ってブラッドさんに言っちゃったし。」

「あんな奴ほっとけ。それに名前は寮の事知らないのに決めたんだろう。どうせあいつらが生徒会か風紀委員かの二拓を迫ったに違いない。」

『うん、その通り。ペーターとブラッドだったらブラッドかなって。』

「また最悪な選択肢じゃな。それなら風紀委員を選ぶのも納得じゃ。ならいいではないか。わらわはどっちも好かん。あんな危ない奴の所…。名前は平和主義であろう。転校生は皆そうじゃ。」

『まぁ、銃はぶっ放したくない。できれば平和がいいです。』

死体も見たくないし、できれば平和に暮らしてすぐ卒業したい。鈴木さん、もう学校いったかな。私の事ずっと待ってて遅刻したら申し訳ない。というかお母さんも私の事探すよね!どうしよう、と焦るとあっちはあっちでうまく処理されているらしい。なんだか便利だけど恐ろしいシステムだな。それより住むとこじゃ、と言われそうだった、と思いだす。

「じゃあ森にくる?安全だし。」

『森?住めないじゃん。』

「いや、ちゃんと家あるから。それに俺は猫だから気ままにぶらついてるし。森に家はあるんだけど。」

『じゃあいる時といない時があるの?』

「まぁね、猫は気まぐれだから。それに森に住むのは本当はいけないんだけど皆どっかに所属してるからね。俺は例外なの。あんたも転校生だから例外になると思うよ。」

『え、なにそれ。ボリスは許されてるの?』

「そう、そういうルール。俺はそういう猫。どこにも所属しなくていい自由な存在。」

『でた、意味のわからないルール。ボリスにとって都合のいいルールに聞こえる。』

「猫は仕方ないのじゃ。でも森にすむのはいささか不便ではないか?猫がずっと一緒にいる訳にもいかないではないか。では、一番安心なクローバーの寮にするか?」

「クローバーの寮は中立立場?まぁ、争ってない場所。いちばん平和だししっかりしてるというか大人しいというか。」

『はい、そこにします。』

先に言おう。そういうの。平和の場所はあるんだ。地図を見れば丁度生徒会と風紀委員の間の位置にあった。ボリスが住んでいるという森にも一番近いという事で皆が安心だと話はまとまる。アリス…なぜそこにしない!!あ、ペーターか。なんか無理やりって言ってたもんな。今思えば私を連れてきたのボリスでよかった。

「理事長。じゃあトカゲさんに頼むの?」

「あぁ、そうじゃな。奴なら引き受けてくれるじゃろ。夢魔はあてにならんしな。もう呼んだから時期に来るじゃろ。」

『でた。爬虫類…。トカゲさんってどんな人よ?尻尾ははえてないって言ってたけど。夢魔ってなんだ。』

「夢魔さんはほっといて。どんなって…、あんなの。」

『え。…イケメンですね。(いつの間に後ろにいたんだ。首の刺青がトカゲだ)』

「え、あ、ありがとう。」

「名前、完全に痛い子だから。初対面でなんなの状態だからね。」

『まぁ、いいじゃん。ってかブラッドとかエリオットとかトカゲさんとか本当に学生?なんだか凄く大人っぽいというか。』

「まぁ、留年しとるからのう。それも色々ルールがあるのじゃ。時期にわかるだろうよ。こやつをお前の寮に入れてやれ。転校生じゃ、丁重に扱うように。」

「分かりました。配慮します。」

「じゃあ俺は帰るよ。クラス一緒だしまた会うし。」

『ありがとう、ボリス!あなたのせいだけど。』

「森にも遊びに来いよ。無理やり連れてきた件はごめんって…。なにかあったらすぐに言ってね。」

「じゃあ行くか。えっと…、」

『あ、名前です。よろしくお願いします。』

「名前か。可愛い名前だ。俺はグレイ=リングマークだ。急に転校生で色々あると思うがわからない事があったら言ってくれ。俺ができる事なら手伝おう。」

可愛いだなんて!!あなたは格好いいです。というか今までで一番まともなんだけど。変な人しかいない世界だと思っていたからなんだか嬉しい。ドアをさりげなくあけて道案内をしてくれる。やだ、紳士。アリスはペーターにひっついかれているのであまり接点がないらしく転校生の扱い方がわからないらしい。いや、別に普通でいいんですよ。トカゲはあだ名みたいなものらしい。

「今日は新学期登校日だから授業はない。寮を案内しよう。」

『すみません。ありがとうございます。』

「…なんで敬語なんだ?」

『…先輩だから?』

「ここではそんな事関係ない。普通で構わない。俺も名前を呼ばしてもらっているしな。」

『あ、じゃあ、グレイ。』

「あぁ。」

『この学園意味不明です。』

「…あぁ。まぁ、慣れだな。そうだな。風紀員と生徒会に関わらなければ普通に過ごせると思うぞ。なるべく争いがあるところには近寄らない方がいい。」

『なる程。グレイは中立立場でしょ。』

「あぁ。奴らより偉い、というかまぁ、喧嘩を止めたり。議長みたいなものだな。それをよく思ってないのも確かだからたまに巻き込まれるんだが。」

『中立が一番大変だな。巻き込まれるとか、』

「一応俺達と俺たちの寮の敷地で争いは駄目、というルールがあるんだか無視する奴もいるからな。」

『変なルール無視された!そもそも喧嘩ってなんでしてるの。どっちかしかいらないとかいってるけど生徒会とか潰すためだけなの?』

「まぁ、どっちが強いかっていう張り合いもあるが領土争いもある。」

『領土争い?』

「生徒会が負けたら領土を風紀員側にとられるとか。それで自分の寮の領地を広くしていっているんだ。まぁ、風紀員は勝手に領土を奪って高値で売りつけてるらしいがな。」

汚っ!!まぁ、ブラッドにあってるっちゃ合ってるが。正々堂々とか知らなそうだしなんかこう、やったもん勝ちみたいな?策略ねってそう。いや、でもペーターも頭使って姑息な手段使いそうだけどな。だって眼鏡だもん。ぱっとみ生徒会の方が弱そうな気がするけどずっと争っているところを聞くと力は五分五分なのかもしれない。はやく終わればいいのに。ペーターが勝ったらそれはそれで嫌だけど。

「中立立場は領土を奪われる事はない。しかし言った通り巻き沿いをたまに食らうな。その辺で発砲してるから気をつけたほうがいい。」

『なんて危ない学校生活。それ常に気をはってなきゃじゃん。授業中居眠りとか怖くてできない。それってどっちが勝ってるの?』

「そうだな。力をみれば多少は風紀員が勝ってそうだが生徒会には理事長もついている。」

『それって不利だね。』

「そうでもない。風紀員には強い奴らが揃ってるし理事長は動かない。決着はつかないだろうな。」

『どっちか降参したらいいのに。風紀員はブラッド。生徒会はペーターがリーダーでしょ。クローバーは?やっぱりグレイ?』

「いや、ナイトメア様だ。」

『ナイトメア様!?様づけ!?グレイが様付けなんてよっぽど凄い人なんだね。見てみたい、ってグレイ!廊下に人が倒れてる!大丈夫ですか、血が!グレイ!吐血してるこの人!』

「ナイトメア様!!」

『(ん?この倒れてる人がナイトメア?え、死にそうだよ。銃弾飛び交う世界で普通ーに死にそうだよ)』

「…悪かった、普通で。私は病弱な夢魔なんだ。」

『おぉ!!生きていた。夢魔?なんだかさっき聞いた気がする。夢魔ってなに。っていうか私口に出してた?』

「ナイトメア様は心が読めて夢の世界を行き来できるんだ。」

『…すっごい。普通に感心。』

吐血してるけど。顔青白いけどさすがトリップ。格好いいな、と思っていたらそうだろ!と急に元気になった。私は偉いしカッコいいんだから、なんて騒いでいたらまた血を吐いた。なんだろうこの病人キャラ。グレイが騒がないでください、と背中をさすっている。んー、なんだかブラット達とはまたタイプの違うキャラの濃さだ。これは争いはできないね。

「ふー、落ち着いた。話は聞いている。まだわからない事があるだろうが私の寮でのんびりしなさい。」

『ありがとう!!えっとナイトメア?吐血の件はスルーしとく。』

「あぁ、いつもの事だから気にしないでくれ。ナイトメア=ゴットシャルクだ。」

『名前かっけーな。名前だよ。』

「理事長が丁重にもてなせと。今丁度寮に帰る所でした。学園からはバスがでる。それで寮や学園に行くんだ。」

『まぁ、遠いいもんね。』

「ここがクローバーの寮だ。」

『おー。首いた。なんて立派な寮ってか屋敷?遠くにある他の寮も凄く大きい。さすが外国。…道が覚えにくいね。』

「まぁ、慣れだな。」

「最初は迷うかも知れないが大丈夫だ。地図は持っているだろう?」

「本当は男女別でここのフロアは主要メンバーに部屋ばかりなんだ。色々な仕事部屋が近くにあるから仕事しやすいようになんだが名前は転校生だし心配だからこのフロアにしとくよ。ここが君の部屋だ。」

『うわ。広っ!!』

「右隣は俺の部屋だ。何かあったら言ってくれ。ナイトメア様の部屋はここを真っ直ぐいった所だ。」

『右がグレイね、わかった。色々気を使ってくれてありがとう。』

「気にするな。」

「そうだぞ。それと中にある荷物と箱。さっき理事長が急遽用意させた。洋服や小物をもっていないだろうと。名前にプレゼントだそうだ。よかったじゃないか。」

『ビバルディ様!!』

一生あの人についていこう、と決める。生徒会は嫌だけどね。その後、ざっと寮の説明をしてもらうが広すぎて迷いそうだ。部屋にも簡易シャワーがある広い部屋にしてもらったので慣れるまでは大浴場には行かない方がいいかもしれない。食堂もレストラン並みで美味しいご飯を食べれて満足だ。少しこの世界が好きになった。私って現金な奴。



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