01
あの日のデュエロ以来私は退屈を持て余していた。いろんな世界を飛び危険だけどスリルのあるスパイやバトルなんかを繰り広げていたあの日に比べ今は平和そのもので皆のサポートといってもなんだかんだ皆幹部としてしっかり仕事をこなしているもので。

『フェイー、今日の予定は?』

「朝は島の見回り、そのままイベントで歌を歌いその後ダンテさんと一緒に外交の通訳として同行、ですね。」

「なんかこー、スカッとするような任務ってないのかよ?」

「そうっすか?俺は平和でいいと思うけどなー。それに今の方が町を守ってる、って感じだし。元々それが仕事ですよね?」

「そうだな。今までは外から守るって方がメインだったし島の外だったから監視の目がない分派手に動けたしな。」

「でもよー、元暗殺者に悪事は人通りこなしてきた俺と能力では戦闘力を群を抜く名前がいてこれかよ。不完全燃焼でイライラする。」

『まぁ、そのうち面白い事件が、今窓が割れた音がしなかった?見てくるから戦闘準備しときな。いつでも出れるように。自分の身は自分でまもりなさいよ。』

楽しそうに笑う2人とあわあわしてるアクアを残し音のする方へと走る。嫌な予感がざわつく。足音が聞こえた方向に鞭を飛ばす。銀髪の男の子の腕にはお嬢様が気絶している。お嬢様を拉致しようって訳ですか。そんな一番騒がれそうなことよくやるなぁ。この館のマドンナってわかってんのかな。

『今なら許してあげるからその子返してくれるかな。大切な子だから。』

「断る。大体そっちが俺の家のもんを盗んだからいけないんだ。邪魔するなら女でも容赦しないぜ。」

『あら、私だって手加減しないから。この館が吹っ飛ぶ覚悟しときなさい。』

「なんだ、そのマイク。お前もアルカナの能力者ってわけか、おもしれえ。「ストーップ!名前が歌ったらこの館もお嬢も吹っ飛んじゃうよ!」次から次へと、」

「俺の銃より危険だからやめとけ。その鞭でいためつけるだけでいいぜェ。」

「ッチ、今のうちか。」

『逃げちゃったじゃん!ちょっと位手加減できるわよ、…多分。もう、さっさと追う!「なんか楽しそうだね名前。」お嬢様は心配だけどあの子結構可愛いし。それになんだかアルカナに詳しいし気になる。』

「お前の可愛いはいい子って意味だなァ。拉致と盗みを働く奴がいい奴かは知らねえがまぁ捕まえればわかる話だ。ほら、急ぐぞバンビーナが可哀想だ。」

外に行けばルカが茫然と立っている。話しかければ虎が柵を飛び越えた、しかもお嬢様を咥えたままだそうだ。ふざけるな!それでもお前はお嬢様の従者なのか!つかえないと指笛をならして3人を呼ぶ。窓から下りてくる3人にルカ達はぎょっとしていたけどこいつらの身体能力は一般レベルを超えているので気にしない。

『お嬢様が攫われた、白い虎よ。アクア!まだ近くにいるだろうからその虎を追って。獣臭とお嬢様の匂いをたどればいけるよね?』

「俺!?『今こそあの能力を使う時でしょうが!これ発信機だからほら見失うからさっさと行く!フェイ、ライ。出かける準備しといて。戦闘準備と一応救急用品も。』まじですか!?」

「わかりました。」

「俺たちもこのままバンビーナを追う。タロッコカードも盗まれたらしい。こりゃ大事件だぜ。」

「名前は一回ジョーリィー達のところにいってくれる?状況説明とか色々あるし。」

『わかった、気をつけて。お嬢様を頼んだ。』

急いで皆のところに行けば重い空気が充満している。錬金術師と思われる男が一名お嬢様タロッコカードを持ち去って逃走。アリアドネーの糸をたどると今噂になっている船に向かっているらしい。アクアに発信機をつけて追わせているのでいずれルカたちと合流することを伝える。これは久々に面白い事になりそうだ。


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