夜。新選組屯所、八木邸の千鶴&クライサの部屋にて。女の子二人、就寝準備中です。
「今日も一日働いたねー」
「と言っても、私たちは隊士じゃないし、洗濯や掃除のお手伝いくらいしか出来ないんだけどね」
「十分働いてんじゃん。源さんにもお礼言われたでしょ?あたしなんか、ちゃんと雑用手伝ったのに、鬼副長に追いかけ回された上にお説教されたよ」
「それはクラちゃんが、沖田さんと悪戯をしたからじゃ……」
「いやー、総司の悪戯センスはなかなかのもんだよね。土方さんの嫌がるところをガッツリおさえてんだもん」
「あはは……。そういえば、今日も道場に行ってたの?」
「うん。平隊士がいない時に少しだけね。イチくんに稽古つけてもらったの」
「斎藤さんの稽古は厳しいって聞いたことあるけど、大丈夫だった?」
「大丈夫大丈夫。脇腹打たれたけど」
「え!?」
「終わってすぐに手当てしといたから平気だよ。ほら(脱ぎっ)」
「……でも、痣になってるよ?痛そう……」
「まぁ竹刀じゃなくて木刀で相手してもらってたからね、そりゃ痣にもなるよ」
「クラちゃん、あまり無茶は……」
「平気だって。このくらい、無茶にも入らないよ。イチくんだってちゃんと加減してくれてるし」
「……なら、いいんだけど……。あ、そこの着物取ってもらっていい?」
「これ?」
「うん、ありがとう」
「あたし、こっちの服って落ち着かないなぁ……洋服と違ってゆとりあるから、なんかスースーするし」
「そう?私はその洋服っていうのを着たことないからわからないけど……」
「やっぱ慣れかねー?」
「かもしれないね。私も、袴姿にだいぶ慣れてきちゃったし」
「男装に慣れるってのも複雑だねぇ」
「二人とも、まだ起きてるか?昼間に干菓子買ってきたんだけど、一緒に食べ…(ガラッ)」
「きゃあっ!?」
「うわっ!!あ、ごめっ!」
「へ、平助君!?」
「悪い!その、み、見てないから!!(ピシャンッ)」
「…………」
「び、びっくりした……」
「…………ろす」
「え?」
「千鶴は先に寝てて。あたし、ちょっと平助殺してくるから」
「待ってクラちゃん!!そのまま出ちゃダメ!!着物羽織っただけだから!!せめて前閉めて!!」
「大丈夫。たとえ真っ裸晒そうとも、あの野郎の首は必ず刈り取ってくるよ(笑顔)」
「逃げて平助君!!」
(千鶴の生着替え拝もうとするなんざ、万死に値する!)