爆弾の正確な位置が分からない以上、下手に近付くのは危険だ。だが、テロリストの武装状況や人数などの情報は得たい。

「無謀じゃない程度に近付こう。もちろん、爆弾も止められるようなら止める」

そっと隣の列車の連結部分へと走り、奥へと進む。途中に立っている見張りをロイは観察していく。

「……七人目、テロリストのシンボルマークはない…」

「さっきの奴とあっちのは、違うマークを持ってたよね」

テロリストは自分たちの存在を知らしめるため、グループごとに名前やシンボルマークを掲げていることが多い。それは銃身についていたり服に縫われていたりするのだが、今観察している男たちに統一性は見られなかった。なのに組織としては、まるで一つのグループのように体系だっている。

「……仮説、当たってるかもね」

「ああ……だとしたら、最悪だな」

昨夜話したことが真実味を帯びてきているようで、ロイは内心舌打ちする。
何故これだけたくさんのテロリストたちが集まっているのか。そして、その目的は何なのか。考え込むロイの横で、クライサは覚えのある感覚に身震いした。

(あー…ほんっと、ヤダ…)

『第六感は友達』
『自分の感覚を信じたまえ』

そう、これは予感だ。それも、いつも感じるような嫌な予感である。この『友達』は、きっと今回も自分を裏切りはしないだろう。

クライサの『嫌な予感』が当たらなかったためしは、一度たりとも無かったのだから。










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