(2010.07.30)


「無理!ほんと無理!!死んでも無理!!」
「そう言わないで。意外といけるかもしれないじゃない」
「いけない!!どう頑張っても無理なもんは無理!!」
「決めつけはよくないよ。ほら頑張って」
「ほんとダメなんだってばーッ!!」
「……何やってんだぁ、お前ら?」
「道場二人占めなんてズリィぞ、総司、クライサ」
「あ、左之さんに平助君」
「二人しかいねぇくせにやけに騒がしかったな。外まで声聞こえてきたぜ」
「っていうか、なんでクライサは涙目なんだ?」
「ああ。アレ見て」
「アレ?」
「ほら、あそこ。隅っこ」
「うげ、ごきぶりじゃん」
「しかも結構でけぇな……ああ、だからクライサが騒いでたんだな。なんだ、女らしいとこあるじゃねぇか」
「話してないでさっさと何とかしてよ!!アンタら男でしょ!?」
「あれ、ダメだよ人になすりつけちゃ。ちゃんと君が殺してこなきゃ」
「だからなんであたしなの!あたしじゃなきゃいけない理由なんてないでしょ!?」
「あるよ?いつも強気で勝ち気で生意気で自信満々な君が涙目でビクビク怯えながら腰が引けた様子でごきぶりと向き合うのを見るのが面白いんだから」
「このドS!!」
「あれ?そういえばクライサって、この間カエル捕まえてなかったっけか」
「虫と両生類は全然違うだろうがこのゴキ助!!」
「ゴキ助!?」
「はいはいゴチャゴチャ言ってないで退治してきてよ、麻倉くん」
「いやだ押さないで!ほんとあたし無理なんだって!お願いだから許して総司!!」
「大丈夫、君なら出来るよ。僕信じてるから」
「あたしはアンタが一番信じられない!」
「え?もっと押してくれ?うわぁ、クライサちゃんって度胸あるんだね、すごいなぁ。じゃあもう手づかみでいけるよね?頑張って、応援してる」
「いやぁぁああ!!ごめん、ごめんってば、ごめんなさい!!お願いやめてぇぇえ!!」
「……そのへんで勘弁してやれよ」







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