(2011.11.04)


ブレダ
「ん?お姫、何読んでんだ?」

リオ
「それ、今朝の新聞だろ。何か気になる記事でもあったか?」

クライサ
「ううん、そうじゃなくて星占い見てただけ。毎月1日に、一ヶ月分の占いが出るんだよ」

ロイ
「そういえば、先月も家で熱心に読んでいたな。オフだというのに真剣に新聞を睨み付けているから何かと思えば、あれは占いだったのか」

クライサ
「この占い、結構当たるんだよ。あたしは毎月欠かさずに見てるんだ」

ハボック
「天才国家錬金術師っていっても女の子だな」

クライサ
「悪い内容の時は破って捨てるだけだから」

リオ
「……女の子って結構シビアだよな」

ロイ
「だが、君の星座は定かではないだろう?誕生日だと言っている日は鋼のに決めてもらったもので、本当に生まれた日は知らない筈じゃないか」

クライサ
「エドに決めてもらった日があたしの誕生日」

ロイ
「…………そうか」

リオン
「(天然っておそろしいよな)」

ハボック
「で、クライサは何座だっけ?」

クライサ
「あたしは双子座。今月運勢いいんだよ。新しいことを始めると上手くいくって」

ブレダ
「お、俺も結構いいほうだな。ラッキーアイテムは時計か」

ハボック
「…あー、俺はあんまり。恋愛運が停滞気味、か…今月は大人しくしとくかなー」

クライサ
「リオは確か8月…」

リオ
「28日生まれ。乙女座だな」

クライサ
「んーと、良くも悪くもって感じみたい。仕事運と金運はいいけど、恋愛運はいまひとつ。ラッキーアイテムはメガネだってさ」

リオ
「かけろって?」

クライサ
「やめて似合わない」

ハボック
「大佐は…」

ロイ
「読まなくていい。私は占いなんかに興味はないからな」

ブレダ
「兄弟姉妹のいる人はケンカに注意(ぼそっ)」

ロイ
「よしブレダ少尉、詳しく読み上げたまえ」

クライサ
「リオンは何座だっけ?」

リオン
「乙女座。大尉と同じだよ」

クライサ
「そ………………」

ハボック
「ん?どうしたんだ?」

クライサ
「……リオン、確か誕生日って…9月3日だったよね?」

リオン
「ああ」

ロイ・ハボック・ブレダ
「(はっ!!)」

リオ
「?なんだ、何か問題あるのか?」

クライサ
「……………ッごめんなさい!!」

ロイ
「すまん!!」

ハボック・ブレダ
「悪かった!!」

リオン
「(びくっ)な、なんだよ急に」

リオ
「ああ……なるほどな。リオンの誕生日祝うの忘れてたんだろ、お前ら」

四人
「…………」

リオン
「なんだ、そんなことか」

クライサ
「ほんっとゴメン!!うっかりすっかり忘れちゃってた!ちゃんと誕生日聞いてたのに!」

リオン
「別にいいって。ガキじゃないんだし、いちいち祝わなくたって構わない年齢だろ」

リオ
「(あっさりしてんなぁ…)」

クライサ
「リオみたいに自分から言ってくれれば良かったのに…」

リオン
「んな虚しいこと出来るかよ。大尉じゃあるまいし」

リオ
「おい」

クライサ
「……どうしようお兄ちゃん、リオンまったく気にしてないよ」

ロイ
「う、うむ…」

ハボック
「どうします?本当にめちゃめちゃあっさりしてますけど…」

ブレダ
「完全にこのまま流す気だろ、あの態度…」

リオ
「なに小声で相談してんだよお前ら。本人が気にしてないって言ってんだからいいじゃねぇか」

クライサ
「気にしてないからこっちが困るの!恨み言のひとつでも言ってくれれば『来年はちゃんと祝うから許してね。えへ』で片付けられるのに!」

ロイ
「あんな態度で来られたら、それで片付けるわけにはいかないだろう」

ハボック
「何しろリオンっすからね」

ブレダ
「リオンですから」

ロイ
「リオンだからな」

クライサ
「リオンだもんね」

リオ
「愛されてんなぁアイツ。俺と違ってな!(けっ)」

ロイ
「しかし、問題はどう切り出すかだ」

ハボック
「そうっすね。アイツのことだから、遅くなったけど誕生日祝いするって言ったところで『別にいい』とか断りそうだし」

ブレダ
「遠慮でも何でもなく普通に断りやがりそうだしなぁ…」

クライサ
「『そんなことしてるヒマあるなら仕事しろ』とか言いそう」

ロイ・ハボック・ブレダ
「あー」

リオ
「(わかってんのに仕事に戻らないのな)」

エドワード・アルフォンス
「こんにちはー!」

リオ
「お、エルリック兄弟。イースト来てたんだな」

リオン
「三ヶ月ぶりだな、エドワード、アルフォンス。元気そうで何よりだよ」

アルフォンス
「うん、久しぶりだね。リオンも元気そうで良かった」

エドワード
「あ、そうだ。リオン、コレやるよ」

リオン
「?土産か?」

エドワード
「んー、っていうよりプレゼント。リオン、二ヶ月前誕生日だったろ?」

アルフォンス
「その頃にこっちまで戻ってこれなかったから、ずいぶん遅くなっちゃったけど。もらってくれる?」

リオン
「!……ああ。ありがとう、二人とも」

ハボック
「(リオンの笑顔!)」

ブレダ
「(リオンの微笑み引き出すの、あの兄弟得意だよなぁ)」

クライサ
「グッジョブ、エドとアル!!あたし生まれて初めてエドのことすごいと思った!!」

エドワード
「褒められてんのに嬉しくねぇ!」

アルフォンス
「え、なに、どういうこと?」

クライサ
「実はかくかくしかじかで」

アルフォンス
「うん、よくわかんないけどわかった。リオンの誕生日パーティーをするんだね」

エドワード
「(オレの弟スゲェなぁ…)」

ロイ
「よし、では早速準備に取りかかるぞ。ハボック、ブレダ、司令部全域に通達しろ」

ハボック・ブレダ
「了解!」

リオ
「え、全域って…司令部の人間全員巻き込むつもりか!?」

ロイ
「当たり前だろう。逆に我々だけで事に及んだことが他の者にバレれば、最悪、暴動が起こる」

クライサ
「だってリオンだからね」

リオ
「……中尉の許可は?」

クライサ
「リオンの誕生日祝いだって言えば、間違いなく下りるでしょ」

ロイ
「リオンだからな」

リオ
「(愛されてんなぁ…)」







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