「アンタ、嫌いだ」


少女の口から発せられた言葉。
それは、一瞬にしてラッセルをどん底へと突き落とした。

「エドに嫌われても平気なんでしょ?だったらあたしに嫌われたって『痛くも痒くもない』んじゃないの?」

終始無表情で告げると、扉から背を離し歩き始める。その足は前を行くエドワードを追うように、普段より幾分ペースを上げているようにリオンには見えた。
アルフォンスもまた兄を追って小走りにそこを去り、リオンも彼らの後に続く。

後ろを振り返ると、ラッセルは店に入らずその場に佇んでいる。その表情は。

(あいつ、まさか…)

ショックを受けたように固まっていた彼に、思い出されるのは先の少女の言葉。

(ご愁傷様、ってな)

ラッセルの気持ちに気付いてしまったリオンは、一人溜め息をつくのだった。









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