(赤青/PTメンバー)
太陽の光を反射するように、きらきらと輝いて見える金色に、無意識に笑みが浮かんだ。幼馴染みたちと元気に駆け回っている姿は、微笑ましいの一言に尽きる。
「おーい、クライサも早く来いよー!」
「ちょっと休憩ー。アンタたちもほどほどにしときなよー」
「うん、わかってるよー!」
本当は一度中断してみんなで休もうと言いたかったのだが、コレットがあんまり楽しそうだったのでやめた。ロイドもそうだが、あんな笑顔を見せられたら、お楽しみの邪魔をすることなんて出来るわけがない。
あたしより年上じゃなかったっけ、あの二人。クライサは溜め息をつきながら、体を休めつつ今後の予定などを話し合っている大人組の元へ歩いていった。
「子どもは元気だねぇ。さっきからぶっ続けで遊んでるじゃないか」
「そんなに歳かわんないでしょーに。しいなも混ざってきたら?」
「冗談。あの子らに付き合ってたら、全く休憩の意味を成さないしねぇ」
「同感ね。あんな楽しそうにされたらやめろと言えないのだもの、質が悪いわ」
「あ、リフィルもそう思う?」
プレセアからドリンクを受け取り、リーガルの苦笑に返し、未だ走り回っている少年少女に一瞥をくれてからまた歩き出した。その行動を疑問に思う者はおらず、クライサの背中に声をかける者もまたいない。
仲間たちから少し離れた木陰に目的の人物を見つけて、歩調をやや緩めた。
(あ、いいなぁココ)
日の光を遮りつつ、冷たすぎない風が過ぎる。暖かさと涼しさの中間のような空気を感じられて、ここなら昼寝をするのにピッタリだと思った。
(だとすると、邪魔したら怒るかな)
いや、怒りはしないだろうが、起きたら起きたでうるさそうだ。声はかけないまま、横たわる彼の隣に腰を下ろす。
そのまま日向の少女らを眺めていると、隣で身動ぎする気配がした。起きてるだろ。小さく笑って、伸びてきた手を握った。
009:日向と日陰
踵落としはまたの機会に
【H21/06/15】