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「出たな変態露出狂!!」

「露出きょ…いや、そもそも変態でもないんだけど!?」

「そんな格好しといて変態じゃないわけあるか馬鹿が。否定するなら、ちゃんとした服着て出直して来やがれ」

「え、なんか氷のお嬢さん、口調変わってない…?」







15.
door of darkness

闇の扉







エンヴィーの『おチビさん』発言にぶちギレたエドワードが彼に蹴りかかろうとしたが、それより早く怒鳴り声を上げたのはクライサだった。
彼女はエンヴィーに家を爆破された身だ(実行したのが本人か仲間かは知らないが)。
一発ぶん殴って文句を言う程度では気が済まない。

クライサは先手必勝とばかりに右手に取ったナイフを投げつけるが、彼は慌ててそこから跳んだ。
木の枝を足場に移動し、グラトニーの横に下り立つ。
そして未だ暴走を続けるグラトニーに、ロイは飲んではならないのだと告げると、その目をリンに向けた。

「ふん……まーたお前か。糸目の」

「ドーモ。今日は俺に捕まりに来てくれたのかナ?」

「残念、こいつを迎えに来ただけだよ。……と言いたいところだけど、お前はぶっ殺しとかないとね」

笑みを浮かべると、リンを指差しグラトニーに告げる。

「焔の大佐と氷のお嬢さんとエルリック兄弟はダメだが、あの糸目は飲ませてやる。…ああ、それからそこのお兄さんもね」

次いで、エンヴィーの指がリオを示した。
向けられた笑みに、上等だ、と返すとリオは剣を抜く。
彼とてブラッドレイに鍛え抜かれた一流の剣士だ。
人造人間に遅れをとるわけにはいかない。

光明が見えて来た。
人造人間らにとってエドワードたちが大切な人材だということは知っていたが、どうやら彼らを飲ませるわけにもいかないらしい(イコール飲まれると大変なことになる、ということにもなるが)。
おまけにグラトニーも少し大人しくしてくれた。

ということは。
やるべきことは一つだ、とクライサは笑った。

エドワードとクライサが、同時に打ち鳴らした両手を地面につく。
すると、エンヴィーとグラトニーの間に錬成された高い壁が、彼らを分断した。

「そっちは任せたよ!」

エドワードとアルフォンスとクライサはグラトニーと、そしてリオとリンはエンヴィーと対峙する。





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