司令部で働き始めて数ヶ月、俺は久しぶりの休暇をもらった。日用品の買い出し途中に思い出したのは、年齢の一番近い茶髪の少年。狙撃の腕は鷹の目の弟子というだけあって、素直に尊敬する。

「リオン」

「スバル?」


名前を呼べば、書類に向けていた険しい顔から一変して、柔らかい笑みが浮かんだ。差し入れの紅茶を渡して、近くのイスに腰を下ろす。

「今日は休暇だろ?何かあったのか?」

「いや、リオンが誕生日だって大佐に聞いたからメシでもどうかと」


「あぁ、そういえば。ちょうど今日の分は片付いたから、行くか」

軍に年齢の近い人がいないからか、必然的によく話すようになったけれど、時々ふと思う。リオンに彼女が出来たら、一緒に誕生日を祝う事も出来ないんじゃないか、と。それは仕方ない事だし、邪魔しちゃいけない事だ。でも、今は。


「リオン」

「ん?」

「誕生日おめでとう」


「…さんきゅ」

今はまだ、照れくさそうに笑うリオンと一緒にいれるから。出来るだけ多くの思い出を作れたら良いと、そう思う。
























小さな独占欲
(兄のようであり友達の)(君の傍にいられるならそれで良い)








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