小規模とは言え連続して爆発が起これば、住民たちからは悲鳴が上がる。幸い付近の住民は既に避難していたらしく、巻き込まれた者はいなさそうだ。

爆煙の中から姿を現したクライサとレイ。その手にはそれぞれ二人、気絶した男の襟首を掴んでいる。せっかく捕えた犯人たちだ、そう易々と死なせるわけにはいかない。

「自爆する程の覚悟があったなんてね…」

未だ晴れない爆煙を前に、レイは感心したように呟いた。

「レイ、ケガは無……腕!!腕から血が…って足からも!!」

掴んでいた襟首を離し、少女の腕を指差す。気を失っている男が受け身をとれる筈もなく、ゴトン、と音を立て彼らの頭は地面へと落下した。
だがクライサにはそれを気にする素振りも余裕もなく、顔を青くしてレイを見つめている。

先程の爆発のせいで服は所々破れ、覗いた肌には少々血が滲んでいる。ほとんど擦り傷のようなものなので、レイは別段気にした様子もない。

「服が少し破れただけだよ。って言うかクライサだって同じような状態じゃない」

「あたしはいいの!レイはケガしちゃダメなんだから!!」

「なんで」

そこに、エンジン音と共にかなりのスピードを出した車が突っ込んできた。
クライサたちの前で止まった車から、ロイとエドワードが飛び出して来る。次いで後部座席の、少年が出て来たほうと逆のほうからアルフォンスが降りてきた。

「あ、お兄ちゃんにエ、」

「「レイ!無事か!?」」

「ド…ってぐはぁっ!!

物凄い勢いでレイへと走り寄ってきた二人に突き飛ばされ、クライサは思い切り地面とご挨拶。あーあ、とレイとアルフォンスだけがその様子を見ていた。

「おいクライサ!!」

「君がついていながら何たるザマだ!レイに怪我をさせるとは!!」

「少しはあたしの心配もしろよ!!」

何やら言い争いを始めてしまった三人に、アルフォンスは困り果て、レイは呆れ果てる。
だがあることに気付くと、その口を開いた。





[index]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -