(四周年企画リク)





キング・ブラッドレイ大総統の60歳記念式典が催された。
中央以外の各地でも一週間に渡る祭りが開かれ、三日目になる今日もイーストシティのメインストリートには出店が並んでいる。

60のオッサンの誕生日会に、国民のほとんどが巻き込まれている現状に、溜め息しか出ない(まあ、みんなそれぞれに楽しんでるみたいだからいいけど)。
一週間も国中で祭りを実施するなんて、あの人は本当に何を考えているんだか。警備するほうの身にもなってみろ、というのが本音だ。





celestial horizon





祭りの初日ーー大総統の誕生日当日に、既に大佐と一緒に中央に行って挨拶を済ませてきた。よって期間中にあたしがすべき仕事は、市内の警備と見回りのみ。
祭りで浮き足立っている街で、テロ等を防いだり、喧嘩等の些細な問題を解決したり、というのがあたしに課せられた任務だ。この一週間だけは、いつもの書類処理の仕事も免除してもらえるらしい(多分後回しに出来るだけだ。期間後が怖い)。

そんなわけで、普段の数倍賑わっている通りを見回りのため歩いている。不審者はいないか、不審物は無いか。厳しい目でチェックしてはいるが、周囲の楽しげな雰囲気に混ざりたい気持ちも少なからずある。……あたしも遊んだり買い食いとかしたいなぁ。

見回りそっちのけで遊びに行っても、大佐にはそうバレないだろう(バレたところで怖くないけど)。
しかしそうしないのは、一週間に渡る祭りの中で、今日からの数日間が特に危険だということを知っているからだ。初日や二日目、そして最終日は警備の目は厳しくなる。だが、三日目になると気が緩んでしまうらしく、問題発生率が高くなってしまうのだ。

遊びに繰り出した結果、あたしの担当区域で何か問題が起これば、大佐からの長い説教は免れない。仕方ない、今回は諦めるしかないか。チェックに意識を戻したその時、あたしの耳に届いたのは男の激しい怒号だった。





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