声を上げたのは、あたしでも、ましてやエドでもない。
レオンだった。

「なんだ、クライサってエディの知り合いだったんだ」

エディ?
誰ですかそれは。

ふとエドの方を見ると

「…………」

この上なく嫌そうな顔をしている。
そう、お兄ちゃんに会った時みたいに。

「え、と…お知り合い…?」

「…なんでお前がここに…ってかクライサと一緒にいるんだよ」

「うーん…まあ、流れかな?」

やはりお知り合いのようだ。

「えーと…どういう関係?」

「同業者」

「は?」

エドの同業者、というと…あたしのそれとも同じって事か?

錬金術師?

「こいつはレオン・ラジハルト。樹木の錬金術師だ」

……は?

「国家錬金術師ぃ!?」

「そう。一応クライサと同じ軍の狗」

そういう事はもっと早く言ってもらいたい。
という事は、仕事の一貫と言っていたのは

「査定のために来たって訳」

…なんか騙されたような気分。
いや、ただ黙ってただけなんだから、そんな事は無いのだろうけど。

「だったらあんな奴らに絡まれないでよ…」

2ページ参照。
国家レベルの実力を持つ錬金術師なら、あのぐらいはすぐに解決して欲しい。

「揉め事になるのも嫌だったからさ」

苦笑を浮かべつつレオンは言った。
そんなものなのだろうか。
というか既に結構な揉め事になっていたような気もするが。

「なんだ、また絡まれたのか?」

今度はエドが口を開く。
その表情は呆れたようなものだ。

「…また?」

「そう、また」

容姿が容姿だからか、彼は先程のように絡まれる事が多いらしい。
…それを言うなら、エドだって相当目立つ訳だし同じ事が言えるのだろうけど。

「絡まれた時に女に間違われなかった事、無いらしいしな」

それはそれで凄いが。

「えー?でも確かに美人さんだと思うよ?」

「フォローになってねぇよ」

「ていうか人が黙ってるからって好き勝手言うなよ二人とも…」

それはそうと。

「エドは何してんの?」

珍しくアルも連れずに街中を歩いていた彼に、あたしは疑問をぶつける。
はぐれたのか?
いや、それにしては落ち着き過ぎている。





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