かといって、神頼みをするためにわざわざ神社に向かっているわけでもない。
初詣に客が集まるこの時期、神社で行われる事と言えば。
「あんず飴ーっ」
「私林檎飴」
「おじさん、あんず飴一つと林檎飴二つください」
「焼きそば食う?」
「あー…じゃあオレの分も」
そう、彼女らの目当ては出店だったのだ。
初詣そっちのけ、お祭り気分である。
何故誰も祈願をしに行こう、と言い出さないのかというと
「錬金術師が神頼みなんかするかよ」
「神なんて信じてないしね」
「神仏に祈るくらいなら、自分で何とかする努力をするわ」
エドワード、クライサ、トワの三名の言い分がコレ。
彼ら以外の二名も、ほぼ同様の意見である。
「お年玉も貰ったし」
「恐喝してな」
「初詣もしたし」
「出店回ってただけだけどな」
「宿題も終わったし」
「とっくにな」
やらねばならない事は全てやった。
となれば、残る事はただ一つ。
「年明け早々、五人で遊びに行きますか」
そして新たな一年が始まる。
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