「さて、ここらで本日のメインイベントにいきましょうか!」
「何?メインって」
「今日は食べて飲んで騒ぐのがメインでしょ?」
突然場を仕切り始めたツルギの言葉に、皆は当然首を傾げる。
だが彼はそんな事を気にも留めずに勝手な進行を続けている。
「ここに取り出しましたる八本の棒!タネも仕掛けもございます!」
「あるのかよ」
「っていうか、なんで手品師口調?」
「この棒を使って出来る事と言えば……はいリミスク!」
「折る」
「却下!次エルリック!」
「燃やす」
「なんでじゃ!次ラト!」
「突き刺す」
「何にかは怖くて聞けない!次トワちゃん!」
「捨てる?」
「ある意味正解!!」
「ちょっと待て」
「ちゃんとトワにもツッコミいれなさいよ」
「いれた瞬間あたしがブッ飛ばすけどね☆」
そんなコントじみたやり取りを、アズハは楽しそうに笑いながら、ユミは呆れた顔で眺めている。
見ていないで止めて欲しいものだ。
「ったく、どいつもこいつもダメだなぁ…」
「むしろアンタが一番ダメだよ」
「黙らっしゃい!!ほら、これを使ってやる事と言えば決まってんだろ?大総統ゲームだよ!!」
……………。
「あ、トワ、それ取って」
「コレ?」
「そう、それ」
「……頼むから無かった事にはしないでくれよ」
※大総統ゲーム
いわゆる王様ゲームです。
よく分からない人は、ハガレン放送局DJCDを聴こう!(宣伝?)
「…よし。みんな引いたなー?」
希望通り、八人全員によるゲームの開始に成功したツルギは、上機嫌で相変わらず指揮を執る。
他七人のやる気が全く感じられないのは、この際黙っておくしかない。
「大総統だーれだっ」
「はい」
ツルギの掛け声に挙手したのはトワだ。
彼女の手に握られた棒(ちなみに割り箸の片割れだ)の先には、赤のペンで『大』と書かれている。
「では大総統。ご命令をどうぞ」
「命令ねぇ…」
突然そんな事を言われても、何も浮かばないのが正直なところ。
あくまでゲームなわけだから、突飛な事を言う訳にもいかない。