「ロイ先生、この間も会議サボったろ?今日もサボったら、リザ先生がブチ切れるかもな」
「ホークアイ先生が…?それは恐ろしいな…仕方ない。クライサ、ランチはまた後日に」
顔色を変えたロイは少女にそう言い残し、ユミやアズハにウィンクしてから教室を後にした。
「リオ先生、いつもお疲れ様だね」
「クライサこそ。いつもやってんだろ?アレ」
リオの指差す先には、未だにいがみ合っているエドワード達。
いつまでやっているのだろうか。
「お互い大変だけど頑張ろうな。今度付き合えよ」
「オゴリならいいよ」
「…検討する」
彼もまた会議に出席すべく廊下へと出ていく。
一度溜め息をついてから、クライサは四人へと視線を戻した。
「クライサは誰とお昼食べたいの!?」
途端にウィンリィから投げかけられた質問。
このタイプの問いが、一番返答に困る。
誰を選んでも恨みっこなし、とはいかないからだ。
「昨日はトワ達と食ったんだろ?なら今日はオレ達だ!」
「今日も俺達と一緒に食べよう・って、昨日約束したんだよ」
「だからしてませんって」
エンドレスに続く言い合い。
このままではまた(以前にもよくあったのだ)昼休みが終わってしまう。
二時間目辺りから空腹感に耐えてきたのだ(早すぎる、とか言っちゃいけない)。
昼食抜きは避けたい。
(しょうがない)
とりあえずは昼食にありつかなければ。
そう決意したクライサの判断は
「みんなで食べよう」
それぞれが弁当、パンなどを持ち寄り、屋上へ集まる。
空は気持ちが良い程の快晴。
お手製の唐揚げを口に運びつつ、クライサは視線を動かした。
右隣にはエドワード、購買で買ってきたらしいパンを頬張っている。
その隣にはウィンリィ、こちらは自分で弁当を作ってきたらしい。
左隣にはトワ、こちらも弁当だ。
その隣にはラト、購買かコンビニのどちらかで買ってきたのだろう、その手にはオニギリが。