ご帰還編
そんなわけでご帰還です。
「随分あっさりなナレーションだな」
「ナレーションって?」
「いや、こっちの話」
二日酔いに苦しむ男たちは司令部に着いて早々書類と格闘することになり、残っていたファルマンとフュリーが呆れの視線を送る。
その間ホークアイとリオがティータイムを楽しんでいたことには(命が惜しいので)目を瞑っておこう。
たった一日空けただけで高々と積まれた書類の山に溜め息をつき、リオンは部屋の隅に目を向けた。
そこにいるのは姫と騎士と鋼の兄弟。
旅行のお土産を広げてワイワイやっている様に呪ってやろうかと胸の内で呟いた。
「リオン、聞こえてる聞こえてる」
「あ、声に出てたか?悪い」
「謝るくらいなら、その構えた銃下ろしてよ」
まあ、相変わらずの強引さで実行に移された慰安旅行ではあったが、楽しかったのは事実だ。
休養をとれたかと言われればかなり疲れたと返すしかないが、楽しかったのは楽しかった。
少年少女の邪気のない笑顔に、今度は苦笑混じりの溜め息を吐き出した。
「次は海行こ海!」
「お前ら当分来るな」
END.
【H21/04/04】