夜のお楽しみ編





「クライサ、どうかしたの?」

架空くんにもプライベートとかあるんだなぁとか彼も温泉に浸かったらおやじ臭く『生き返ったぁー』とか言うのかなぁとかどうでもいいことを考えていると、不思議そうに首を傾げたトワに呼ばれた。何でもないと笑みを返し、すぐに意識を切り替える。楽しいこの時間を、余計な考え事で無駄にはしたくない。

クライサとトワの加わった子供部屋では、五つ敷いた布団の上にそれぞれが顔を寄せる形でうつ伏せに転がっている。
クライサの左隣にはトワ、向かいにはエドワード。
エドワードの右隣にはリオン、左側にはお誕生日席よろしく他の四つに垂直に敷かれた布団の上にアルフォンス。
男部屋では酒盛りが始まっており、ホークアイはそちらに参加している。そんなわけで、今ここにいるのは仲良し少年少女ズのみというわけで。

「じゃあ、リオンから時計回りね」

「何がだ」

「何がって、修学旅行の定番こと恋バナに決まってるでしょう?」

「そうだな、確かにこの展開だとそれしかなってバカ

「(リオンがノリツッコミした…)」
「(恐るべしトワ…)」

恋バナ大会とやらが突然始まったことにツッコミを入れればいいのか、はたまた修学旅行事情をトワが知っていることにか。
リオンは二秒間悩んだ結果、流すことでその場をしのぐことにした。

「あ、でも確かにリオンのそういう話って興味あるな」

「付き合ってる人とかいなかったの?」

「おいおい、人に尋ねる時はまず自分から話せよ」

そんな理屈で話はエドワードに振られるが、なんか赤面して口ごもりだしたのでタイムアップ。
次に振られたのはクライサだったのだが。

「え?子稲葉が何?」

恋バナの意味も知らないようなので終了。
別の話題に移行していきましたとさ。

「ねぇトワ、コイナバって何?」

「コイバナだよ、クライサ。簡単に言うと、好きな人のことを話すって感じね」

「へー…じゃああたし、トワについて語る!」

「本当?嬉しい、じゃあ私はクライサのことを語るね」

「……」

「ん?なにリオン」

「や、微笑ましーなーと思って」

「じゃあ混ざる?」

「いや、遠慮しとく。トワが黒いオーラ背負ってこっち見てるから





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