2 ●評議会 アカ「さて、騎士団の話をしたからこっちもいっとこうか」 ユリ「あんま興味ねぇけど」 アカ「じゃあさらっと」 カロ「ちゃんとやろうよ……えっと、確か、皇帝を政治面で補佐する機関で、皇帝の代理人…だっけ?」 アカ「お、よく覚えてたね。そう、帝国の行政を担う機関で、貴族の有力者のみで構成されてる。皇帝がいない今は、実質の権限が集中してて、好き放題やってるって感じだね」 ユリ「ラゴウみたいにな」 アカ「そ。対立する騎士団が力をつけるのを嫌がって、エステルを傀儡の皇帝にしようとしてるみたいだね」 ●ギルド アカ「それじゃ、カロルお待ちかねのギルドの話だ」 ユリ「そういやオレ、ギルドのことってあんま知らねぇな」 カロ「え、そうなの?」 ユリ「いや、大体はわかるんだけど、説明しろって言われると困るってとこか」 アカ「とりあえず『紅の絆傭兵団』を例にあげるのはやめとくれよ。ギルドってのは、帝国の階層化された支配構造を否定する人々……まぁ簡単に言えば、帝国の支配を嫌がった人たちが結成した組織だね」 ユリ「帝国の市民権を捨て保護を受けない代わりに、帝国法に縛られない…だっけ?」 アカ「そ。帝国法に従順なのは『幸福の市場』くらいかな。あそこは比較的帝国と仲良いから」 ユリ「へー、あのおねーさんとこの」 アカ「それで、主要ギルドで組織されたギルドユニオン。はいカロル、五大ギルドを言ってみな」 カロ「あ、うん。『天を射る矢(アルトスク)』と『幸福の市場(ギルド・ド・マルシェ)』、『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』、『遺構の門(ルーインズゲート)』に『魂の鉄槌(スミス・ザ・ソウル)』だね」 ユリ「アカは全部と面識あるのか?」 アカ「まぁ一応ね。それなりに付き合ってんのは『天を射る矢』と『幸福の市場』くらいだが」 カロ「時々思うけど、アカってほんと何者…?」 アカ「ユニオンは帝国と敵対関係にあるわけだが、何しろギルドには帝国から仕事を請け負うものもある。帝国の運営に欠かせない存在とも言えるし、ユニオンと事を構えると本当に戦争になっちまうからね、事実上ギルドの存在を黙認してるんだよ」 ユリ「ま、友好協定が結ばれれば、関係も少しは良くなるのかもしれねぇけど」 アカ「そう簡単ではないだろうね」 ×
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