赤星は廻る | ナノ



苦手の理由

(カロル、アカ、ユーリ、レイヴン)



カロ「ねぇねぇ、アカってどうして甘いもの苦手なの?」

アカ「状態異常になるから」

カロ「いや、なんでそういう体質になったのって聞いてるんだけど」

ユリ「生まれつきじゃないのか?」

レイ「いんや、昔はむしろ好きだった筈よ。よくクレープ作れってねだってきたし」

ユリ「昔はって…おっさん、アカと付き合い長いのか?」

レイ「ドンが死にかけのこいつ拾った後、暫く俺が面倒見てたのよ。ドンに世話押し付けられてね」

アカ「その頃は甘いもん好きだったし普通に食えたんだけどね。これには深過ぎて語ると長いわけがあってね…」

ユリ「簡潔に頼む」

アカ「トラウマ」

ユリ「四文字で済んだな」

カロ「どういうこと?」

アカ「そうだね……あれは二年ぐらい前だったかな。護衛の仕事で帝都に行ったんだ。それで下町の宿屋に寄った時、女将さんに、もらいものだっていうケーキをお裾分けしてもらったんだよ。ワンホール、手作りのをもらったんだけど食べきれないからって言われてね、遠慮なくいただくことにしたんだ」

カロ「それでそれで?」

ユリ「(……ん?)」

アカ「そりゃもう美味そうだったよ。ダングレストの菓子職人ギルド並み…いや、それ以上の出来でね、こんなものを素人が作れるのかって素直に驚いたもんさ」

レイ「あんま細かい説明しないでね。おっさんちょっと気持ち悪くなってきた…」

カロ「それで?味は?」

アカ「すごかった」

カロ「え?」

アカ「まず甘さの向こう側が見えて、その後苦味・辛味・酸味などなどあらゆる味を感じて、最後には味とか凌駕したものに襲われた。なんかね、ケーキにあるまじき触感のものが口の中で蠢いてる感じがしたり、味っていうか破壊力を感じたりしたんだよ」

ユリ「……」

レイ「…なあ、それって…」

アカ「完全に無防備なとこにリタの魔術全部食らった感じ?トラウマになるのは簡単だったさ」

ユリ「……あの時のは一際気合い入ってたからな…」

カロ「え?ユーリ何か言った?なんか顔色悪いけど…」





あれは完全に兵器だった



※ユーリのは思い出し状態異常。もちろん犯人は奴です





 


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