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星霜を記す。

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#fld2#
2022/05/25:紡 第36話 更新
紡更新しました。
旭川は5、6話やるつもりだったのですがだらだらしそうだったのでさっくり終わらせます。
もう数話で3章は終わる予定です。


 

 君空蝉の うつゝなや

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祝福と書いて尾形百之助と読む
2022/03/24 12:53

皆様おはようございます。金カムが怒涛の展開過ぎてここ数週間私の情緒がどうなってしまうのかと見ていたのですが遂に野田先生やってくれました。
朝からツイッターではトレンドにゴールデンカムイや尾形の名前が入っていたりして、本誌をご覧になっていない方も意図せずネタバレを踏んでしまったのではないでしょうか。
私は普段、電子にて0時更新の本誌を読んでから就寝するのですが昨日は眠気と疲労に襲われ日付が変わる2時間ほど前には夢の中にいました。が、これは大正解でしたね。これを0時に読んでいたらその後寝付くことが出来ず寝不足で仕事に向かうところでした。

とりあえず通勤電車で一度読んだとき、降りるべき駅を通り過ぎるところでした。
冷静になってもう一度読んで色々な解釈が生まれてくるなぁと思うと少しずつ冷静になってきました。

尾形の最期は実に尾形らしいなぁと思いました。そこに至る中身というより、自死という事実が。リパさんや杉元に殺されるわけでもヴァシリに負けるわけでも、鶴見中尉含む師団の手にかかるわけでもなく、彼が錯乱していたとは言え自ら選んだのが銃による自死ということが尾形らしくて。
ただ、生まれてから最後まで救いようがなかった尾形が可哀相で仕方がありません。サイコパスは遺伝が強いと聞いたことがありますが、彼の場合は生まれ育った環境も相まってそうなるしかなかったと感じます。
母親が大好きだから、父親はきっと母親を愛していると思いたかったし、苦しむ母親を見てきっと楽にしてあげることが一番で、そうすれば父親も母を思って悲しみ、母に喜んでもらえると思ったんだろう。それが全部思い過ごしだったことに幼い尾形は耐えられなくて傷だらけだった心が粉々になってしまったような気がします。
罪悪感を感じていても、大好きだった母親を自ら手にかけてしまった以上、もう止まることが出来なくて自分を正当化するためには見えていない、気付いていないふりをするしかなかったんだろうなぁ。
だから一身に敬愛を表す宇佐美や鯉登に対して冷たくて、鶴見に対して「よそ見ばかりしている」と発言したのかな。
悪いことだとどこかで感じていても、立ち止まってしまえば自分を否定してしまうし、今まで殺してきた人、父親弟は勿論大好きだった母親への愛を自覚してしまうから罪悪感を誤魔化して振り返ることも引き返すこともできなかったんだろうな、と。

人を殺すことができずにいたリパさんに執着は見せたけど、杉元を守るためとは言えあんなに躊躇っていた彼女が2度目は強い意志で彼に毒矢を打ったのが引き金として、自分の中の愛とか祝福とか罪悪感とかを自覚させられて耐えきれなくなったのが凄く凄く人間臭い。
自分を正当化するしかなかったのにそれが全部崩れちゃった挙句、罪悪感や愛をちゃんと感じて捉えられていたことに気が付いて考えることを放棄した彼は本当にちゃんと立派に人間だったなぁと思いました。
きっとおそらく、この場で彼が罪悪感云々と向き合わず死ななかったとしても近いうちに命を絶っていたように思います。リパさんを勇作さんと重ねてしまった頃からもうきっと限界だったんだろうなぁ。



という自己解釈にもなり切れない綴りをしたところで、尾形百之助前よりずっと愛おしいです。でもこの男どう頑張っても救いようがない…。
紡の話ですが、網走編までは当初の予定通りでいいかなと思っています。樺太以降はこうという道を決めていないのですが…
どこまで書くかはわかりませんが、尾形の最後はちゃんと書いてあげたいなと思います。私個人としては原作改変があまり好きではないので、書くとしたら彼が死ぬラストになってしまうのでどう足掻いてもバッドエンドなのですが…。
本編分岐にして救済エンドを書いてみるのもいいかもしれませんね。
地獄に堕とした山猫は眠らないことを決めた、という冒頭の文章だけでも解釈考察は広がるので…あとは江茉さんがどう動いてくれるか次第です。



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