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映画化&DVD予約開始記念!
阿修羅と五日の著者、鬼藤量子先生に独占インタビュー!
――この度は宜しくお願い致します。 どうもどうも、鬼藤量子と申します。宜しくお願い致します。
――キトウリョウコさん……変わったお名前ですよね、御本名ですか? あぁ。それ良く言われるんですけど本名ですよ。こんな名前のお陰で学生時代はよく揶揄われました。
――それはさぞかし大変だったことでしょう……さて、この『阿修羅と五日』ですが、なんでもノンフィクションだとか? いえいえ、正確には半分フィクションです。半分嘘で、半分本当。
――じゃあモデルになった方がいらっしゃる? えぇ。だいぶ昔の話ですけど……私、学生時代に悪い男と付き合ってまして。今はもう別れてしまったんですが、その人がしてくれたお話を、私が手を加えて本にした次第です。
――悪い男、ですか? ふふ……まぁ、二股三股は当たり前、約束の時間には平気で遅れるし、私の前で平然と他の女の子に電話をかけたりとか……しっかりとした"悪い男"でしたよ。
――それはそれは酷い。で、その人も作家さんなんですか? お名前は? いや、彼は普通の人でした。名前は……そうですね、イニシャルを取って『Aさん』と呼びましょうか。Aさんは病気の妹さんを元気づけたくてお話を考えていたようで、それを私に話してくれたんです。あ、もちろん本にする許可は得てますよ。まぁ今から……十年以上は前ですかねぇ。
――十年というと……先生が高校生くらいの頃ですか、妹さん思いの方ですね。その方は、鬼藤先生の『阿修羅と五日』が映画化された際には何かお話はしたんですか? 今はもう音信不通なんです。別れてから連絡先も消してしまいましたし、どこでお仕事をしてるやら……。
――では、もしかしたらこの雑誌を見て、そのAさんは鬼藤先生のことを知るかもしれない、というわけですね。 確かにその可能性はありますね。
――じゃあ最後に、その方とファンの皆様へメッセージをどうぞ! ……Aくん、まだ女の子を泣かせてるなら夜道に気を付けてください。ファンの皆様、この度は本当にありがとうございます。『阿修羅と五日』、お陰様でDVDを出していただけることになりました――――――――