夕飯の買い出しにスーパーへと訪れていると、何やら困っている綺麗な女性がいらっしゃった。
ピンク色の髪は一瞬誰かを連想させたが、私は首を振って女性に近寄った。
困っている人を放ってはおけない。


「あの、どうかしたんですか?」

「あら?あなたは…なまえちゃんね!娘から話は聞いてるわ!」

「え?む、娘…?」


はて、娘とは一体誰のことでしょうか。
生憎、私の知り合いに今のところ女の子は一人しか居らず、その一人は別に親しい訳でもないし…
思い当たらなくて首を傾げていれば、それに気付いたのか女性はにこりと綺麗に笑うと嬉しそうに口を開いた。


「なまえちゃんはランピーさんとラッセルさんと仲が良いって聞いたんだけど…二人はやっぱり恋人同士なのかしら!?」


………………………はい?
ランピーさんとラッセルさんが恋人同士…?
……え?


「やっぱり身長的にランピーさんは攻めなのかしら?でもラッセルさんが攻めでもいいわね!ほら、ランピーさんってよくわからない所もあるけど顔はいいから彼女もたくさんいるみたいだし、でもそれはラッセルさんに嫉妬してもらいたくての行動だったとしたら…!そこのところどうなのかしら!?」

「え、あ…え?」


興奮したように頬を赤くして語る女性に私は戸惑うしかない。
どういうことだ。
頭の中に浮かぶ言葉は一つしかない。
この人は所謂……


「私実は腐女子なのよ!詳しく聞かせて頂戴!あ、でもここじゃちょっとアレね…じゃあ私の家にいらっしゃい!娘も居るだろうし!あ、荷物持ってもらってもいいかしら?実は買いすぎちゃって」


やっぱり……。
というか困ってたのってもしかして荷物が持てなかったからですか。
断る理由もないので頷いて荷物を持てばじゃあ行きましょう!と顔を輝かせてる女性に私は小さく溜め息を吐いた。


「ただいま〜」

「おじゃまします…」


なんというか…疲れた。
あれから家に辿り着くまで散々話を聞かされて、知らない名前まで出てきてほとんど聞き流してたよ私。
とゆうか女性がインパクトありすぎて今の今まで忘れていた。
ギグルスちゃ〜んいる〜?と呼びかけた女性に私は声をかけなきゃよかった、と切実に思うのだった。



(121111)ギグルスママ可愛い。