第7章 表紙
第7章「東の竜大国」
砂漠と竜の国セニアがメインのお話です。
2章に登場した東国人達が本格的に動き出した時であり、リュートニア家、帝国、東国の複雑に絡み合った情勢を描いた章でもあります。
物語の主役は二つ。
一つは東国の王族姉弟で、特にルクード王子の人となりを浮き彫りにすることが最大の難点でした。強さと脆さを併せ持っている、完璧に見えて不完全な王子…をイメージしていましたが、どうも王子は対人関係が苦手なご様子。
その点、東国王女でありルクードの姉にあたるローズは、昔から人望の厚い人だったようです。しっかり者で世話焼き、花を愛でる心をもつ優しい王女だと人々は噂します。
ただ、そんな彼女が窮地に立たされてしまうのもこの章であります。
ローズは本当はもっと強くて、文句ある奴は正々堂々かかってこいやゴルァっ! といった勢いのある女性のはずでした。ヤンキー系…か?とにかくそんな感じで弟を諌めるつもりだったのですが、彼女は故郷や自然と同じくらい、いや…それよりもっともっと弟のことが大切だったようです。
王女として国を守り、いずれ国王となる弟を支える為に生きてきた彼女にとって、自己犠牲の上に成り立つ国家というのも有りだったようで…。
精霊王を帝国に奪われ、多大な死者を出した東国は今回の帝東戦の敗者となってしまいましたが、これに対する国民の不満や内政の混乱を、ローズは全て自分の所為にしようとしたのかもしれません。
帝国勝利の裏に潜む犠牲にアムリアが気付くのは何時なのでしょうか。その時アムリアはどうするのか……たぶんきっと…いや必ず助けに行きそうな気がするのは私だけではないはずです…。
そこでまた振り回される周囲の人間模様を書くのが楽しみでなりません…!
さて、主役のもう一つは、アムリアと闇騎士の別れと再会です。
7章初話「帰郷」に始まり、この章の最終話「巡り会う」で再会を果たした二人。百頁くらいかけて二人のもやもや〜っとした感情をぐだぐだ書いておりました。途中で本当に「お前らはよ会っとけやー!」と癇癪を起こしてしまいそうになるほど、本当にうだうだと。
離れて初めて気付く想い、というのを二人に、得にアムリアに知って欲しかったのです…。
この他に、力を入れたのは風神の復活シーンです。
「登場の場面が良かった!」というコメントを頂きました。ありがとうございます!!(本気でとても嬉しいです!)
あれは手に汗かきながらの場面でした。地上に降り立ったフェザールーンの姿を、いつか…いつか必ず絵にしたいのですが、描いてしまうと想像していたものと違う物に出来上がりそうで、未だ描けず…。
天使が空から舞い降りてくる…そんな情景を想像しながらあの場面を呼んでいただけたら…もう本望ですってば!(><)ノ゛ばしこばしこ
あぅわ…長文失礼しますた。
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