第6章 表紙
第6章「西の魔導士」
26話‥暗流
冒頭は東国の王城セニアから。二人の王族が隠された秘密を語り合っている。この数年間、大きな戦がなかった帝東だが、東から不穏な動きが現れはじめる。
姉想いの王子ルクードは、彼女の話を疑問に思いながらも、畏怖と敬意を捧げていた父親に対する不信感が沸き起こり、複雑に心揺れていた。姉ローズは隠れて決意を固め、いずれ起こる帝東戦争に備えていた。
27話‥歌姫
クルーバード劇団の歌姫として知られる少女。不思議な魅力に惹かれて自然と彼女の周りには人が集まっていた。アムリアもそれらの一人で、黒髪の美少女の歌声に魅せられていた。ところがその頃、何者かが歌姫を狙っていた。
28話‥西の賢者
西大陸中部地方の権利者といえばレイドルート家であった。レイドルートの家長が不在の間、そこを守っていたのが息子のヘルトだ。彼は母方の血を強く受け継いでいた。故に西の賢者と呼ばれていたのだ。
29話‥別離
しばらくの間共に過ごしてきたアムリアと兵士フレアン。ところが突然、フレアンは忽然と姿を消した。普段は愛想なく冷めた表情を見せてきた彼が、最後に見せたのは深い優しさだった。別れの辛さに堪えるアムリアを、ヘルトたちは静かに見守っていた。
29話の中には、途中で過去の回想が入る。風の神ルーンと、古い時代に生まれた精霊王、二人の物語だ。所々、古の神たちが物語に介入している。深すぎる想いは破滅を呼ぶと、風の神は身をもって知ることになる。
6章のあらすじは以上です。
精霊廻りの中でも辛いことが多いのがこの章だと思います。また、無謀にもまた色々と種を落としまくっている章でもあるかと…。ルーンの過去話が入ってしまったため、かなり長々と続きましたが、少しずつ帝国に近づいているので書きながら楽しんでいました。
個人的にはリセイよりフレアンが好き。何故ならあのギャップが堪らないから…。普段は愛想のない暗い人間でも、不意に笑ってくれたりとか、優しく頭を撫でてくれそうで。頼れる兄、という感じがしっくりきます。じゃあリセイは頼りがいがないのか、と言われると…そうではなく。ただ、リセイの場合は優しさの裏に何か思惑がありそうで油断できません。アークと同様、リセイも仮の姿になることで普段絶対に出せない自分を心おきなく出しているのかも…?
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