小説 | ナノ
※緑間女体化
朝練も無く、ゆっくり寝れることに感動すら覚えていたのに、朝、目が覚めたらまだ6時前。
バッチリ目も冴えてしまい、再びベッドに入っても全然眠気は襲ってこない。
仕方なく、それなりの時間になり学校に行った。
人気の少ないガランと寂しい校舎。
俺のクラスは、俺以外誰もいなかった。
する事も無く、椅子に座ったり立ち上がったりを繰り返し、なおも暇なため、やってない宿題(真ちゃんに見せてもらうつもりだった)を開いてもやる気は全く起きない。むしろ萎えきった。
「暇で死ぬー」
「死んだほうが静かで良いのだよ」
伏せたばかりの顔を上げると、扉の所に、女性の割には高い170ある長身の真ちゃんが立っていた。
「真ちゃん!どったの!?」
暇を持て余していたことなど忘れる。
明らか何時もと違う恋人に、戸惑いを覚えた。
「眼鏡は!?」
俺などお構いなしに、俺の後ろの席に腰を下ろす真ちゃん。
隔たりが無くなり、露わになった真ちゃんの目。普段眼鏡のせいで隠された大きな瞳と、長い睫を俺に向ける。
目がバッチリ合い、ドキッとする。真ちゃんは相変わらず可愛い。
何度も真ちゃんの裸眼は見たことあるが、いまだに慣れず目のやり場に少し困る。
「今日のおは朝のラッキーアイテムはコンタクトレンズ。身に付けるのは当たり前だろう」
「いや、でもさ…」
続ける俺に、怪訝そうな目を向ける真ちゃん。
真ちゃんは美人だ。
街中を歩けば同性でも振り向くくらい。
しかし分厚いフレームの黒縁眼鏡は真ちゃんの美人を少し減少させるアイテムだった。それでも美人なんだけど、
それに俺は真ちゃんの眼鏡をかけた姿も好きだし。なにより外されるのは困る。
「真ちゃん、眼鏡持ってきてる?」
「愚問だ。眼鏡を持ち歩かない時など無いのだよ」
そういうと真ちゃんは、普段は掛けているため俺も初めて見る、中学生くらいの少女が持っていそうな可愛らしい眼鏡ケースを鞄から取り出して机に置いた。
「眼鏡に変えねえ?」
「何故だ?」
必要性を感じない。
と、言い切る真ちゃんを説得すること10分。頑固な真ちゃんはなかなか折れない。
窓際の席から見える校門には、人がちらほら見えてきた。
「一生のお願いだから!外で眼鏡を外さないで!」
真ちゃんはいまだに不可解な顔をしていたが、あまりにも引き下がらない俺に、不満げな顔をしながらも鏡を取り出し、両目のコンタクトを外し、何時もの黒縁眼鏡を掛けた。
不満そうだったが、やはり眼鏡の方が真ちゃんもしっくりくるようだ。口元が少し上がっていた。
そんな真ちゃんを見て、俺は安堵の溜め息を漏らした。
お願いだから、止めて
(他の男が惚れたりしたらどうすんの)
*130209
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