小説 | ナノ
※社会人
※黒子が赤司の秘書設定
「赤司社長。今日の予定は、」
「大丈夫だ。全て把握してある」
「左様ですか。」
運転手によりドアが開かれる、車を降りて赤司社長の後ろに続く、仕事専用の手帳を開き口を開くと何時もと変わらない返答が返ってきた。
自動ドアをくぐり抜けエレベーターに乗り込む。18と書かれたボタンを押すと扉が閉まりふわりと浮遊感に見まわれる。何時までも慣れないソレに気持ち悪さを感じながらなかなか無い2人きりの空間に口を開いた。
「赤司社、赤司くんにとって僕は必要あるんですか」
「必要性の問題では無い。いや、正確に言っておこう。正直なところ確かに仕事面に関しては僕は1人でやっていける。サポートはいらない。君は不必要かもしれないだろう。だがこれは仕事面に関してだ。僕自身が君を必要としている。それだけで君の存在意義は確立されるんだよ。」
分かるかい?テツヤ。と目を閉じて誰にもなく優しく微笑む彼を横目で見る。
いつの間にか時間も過ぎ16、17階と上がり続ける床。
このまま止まってしまえば良い。
と思いたいのに心の何処かで拒む自分が居た。
「じゃあ僕は隣に居るだけで良いんですか。」
「そういうことだ。」
チン、と軽快な音と共に重い扉が開いた。一歩、また一歩と確実な足取りで進む彼の背中を見る。
これほど頼りになる人物はいないだろう。
ただ隣に居るだけで十分すぎるお給料も貰える。この仕事を羨む人もいるかもしれない。
願望を言ったら何でも叶えてくれる。
嫌な思いなど決してない。
でも僕の心が満たされることはまだ一度も無かった。
謙虚な愛だけども
(それって操り人形と変わらないんじゃ無いんですか?)
*121108
黒子を大事にするあまり、
横に置く以上何もできない赤司。
空回りしかしてない笑
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