小説 | ナノ
 

バスケでテツとは正反対だけど、


コイツともテツとは違う意味で正反対ではないか、と思った。


「何をしているのだよ。早く行くぞ。」













少年Aの独唱




「好きなものはー…バスケ、あれ、そんだけか」


指折り数える甲斐なく、答えは1つしか無かった。巨乳も好きだ、だけど最近はイマイチ魅力を感じない。

目に映る目障りな緑色


(うぜ…)


前を歩くコイツが目障りに思えた。ついでに隣で煩い黄色にも、
何時もなら真ん中にいるはずのテツがいないだけで、こうも黄瀬は煩いのか。


「でも黒子っち大丈夫ッスかね」

「体調を崩すなど、人事を尽くしてない結果なのだよ」

「課題終わってなかったらしーよ。やらなきゃ良いのにメンドいし」

「無駄口を叩くな。試合前だぞ。」


テツは風邪だった。
だから今日の試合には来てない。

テツが居なくとも試合は勝てる。だが居るといないは違う。居た方が良いに決まってる。


(帰りにテツんとこ寄って様子見っかな…)




*



テツは何が好きなんだ?
バスケと、


「よく考えれば他のこと何も知らねーな」

「こんな所に居たのか。青峰、」

「んゲ……」


振り向いたら緑色、
うぜぇうぜぇうぜぇ


「着替えた後直ぐに消えたかと思えば、何をしてるのだよ。全く、」


溜め息を尽きながら眼鏡のブリッジを上げる緑間。何しに来たんだよ


「…む。お前がいなきゃ帰れないのだよ。単細胞め。少しは考えろ」


また溜め息を吐いたかと思うと、顔を上げた。何故か顔は涼しげ


「何か目的が合ったのだろう。さっさと済ませるのだよ」

「な…っ、お前…すぐに帰らねーの?」

「帰りたいに決まっておるだろう。馬鹿め。早くするのだよ」

「じゃあさ……」









ガタンガタン、と軽く跳ねる。
電車の窓から入る夕焼けが他の奴らの眠気を誘う。
うるせー黄瀬も疲れて寝てる。
膝の上でもう、ぬるくなってしまったであろうバニラシェイクを後で買えば良かったと少し後悔した。

前の席に座る緑間は赤司と何か話している。紫原も寝てる。
脳内を埋めるのは緑、緑、緑。 


「む。青峰、今日は寝ないのか。珍しいのだよ。いつも試合後はデカい口開けて寝ると言うのに」

「今日は疲れてねー」


論理的に動くコイツと身体の言うとおり、本能的に動く俺。違う所はいっぱいある。何時もならここで爆睡してるはずなのに、緑の論理的占い馬鹿が移ったのか普段動かさない頭が冴える。動く。埋まる。そして染まる、緑色に――……


「あー!」


どうしようもなくむしゃくしゃする。一斉に視線が集まるのを無視して頭を掻いた。











(どうした、俺)

(相手は緑間だぜ?)




*121104



テスト用に別館から引っ張ってきました




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