『おはよう、コウちゃん』
「あ、おはようございます。神さん」
「よう、光子郎」
「太一さんも……」
朝、校庭から校舎へと向かう途中、誰かに声を掛けられて振り返る。
立っていたのはよく知る人物、1つ上の先輩である神さんと太一さんだった。
「2人で一緒に来たんですか?」
『ああ。な、太一』
太一さんの方を見て、同意を求む神さん。
太一さんもそれに否定することはなく頷いている。
相変わらずこの2人は仲が良いというかなんというか……。
「待ち合わせとかしてるんですか?」
軽い気持ちで言った言葉に、僕はすぐに後悔をした。
そうだ、この人達は……。
「待ち合わせ?そんなことしてないよな。そもそも一緒に家出るし」
「……は?」
『隣同士で親同士も仲がいいからな、寝るときはどちらかの部屋に行くことが多いんだ』
「今日は神の家だったんだけど、こいつ寝相悪くてさ。何回も蹴ってきて何度も起こさせるんだぜ?」
『な……!寝相が悪いのはお前も一緒だろう!』
目の前でいちゃつきだす神さん達。
寝相がどうとか、どこで寝たとかそれ以前に……。
「一緒に寝てるんですね……」
「『え?当たり前だろ?』」
声を揃えて言った2人に呆れを通り越して尊敬すら覚える。
全く、この人達は……。
「本当、バカップルですね」
[とりあえずリア充爆発すればいいのに]
待ち合わせ?そもそも、一緒に家出るし。**