俺の家で、おじさん達が帰ってくるまで太一と2人で過ごしていた。


学校が終わったらお互いの家に行き来するのはいつものことだ。


付き合ってからは隣同士という事もあって、学校ある無し関係なしにどちらかの家に泊まるのも、すでに日常茶飯事のことだったりする。






『太一?』


「ん……?」






俺の膝の上で気持ちよさそうに眠っている太一の頭を撫でながら声をかける。


ただなにもせず、こうしているだけでも幸せだ。






『お腹空かないか?』


「……もう少しこうしてたい」


『……わかった』






返事を返すと、もう一度優しく頭を撫でる。


くすぐったいのか、身動ぎする姿さえも愛おしく感じていた。






『太一?』


「さっきからどうしたんだよ……」






もう一度名前を呼ぶと、太一は横たわったまま俺の方へ振り返る。


心配そうな顔で頭を撫でていた俺の手を掴むと、きゅっと握ってきた。






『いや……、ただ思うことがあったんだ』


「思うこと?」


『ああ……』






いま、俺は誰よりも幸せだと胸を張って言える。


でもそれは側に太一がいるからだ。



だからこそ毎日が楽しいし、幸せを感じていられる。


全て太一がいること前提なんだと……。






「神……?」


『……俺は幸せだ』


「俺も、幸せだけど?」


『この先ずっと……、一緒にいられたらいいなと、最近になってよく思うようになったんだ』






中学生になっても、高校生になっても……大学生、大人になってもずっと。


俺達はまだ小学生で、だからこそこうして一緒にいられることも多いが、これから先大きくなってもそれが続くとは限らない。






『すまない、変なことを言って……』


「バーカ!」


『太一?』


「"いられたら"じゃなくて"いる"んだよ!お前がなにいっても離れてやらねーからな、覚悟しとけ」






そう言い切ると、俺の大好きな笑顔を見せた恋人に、嬉しくなって抱きついた。


そんなの俺だって同じだ、絶対に離れてなんかやらない。






「ずっと愛してるぜ、神」


『俺も、愛してる太一』






[ずっと一緒にいような]



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