「お兄ちゃん、なにやってるの?」


「ん?メール」


「ふーん……今日は珍しく神さんはいないんだ」






いつもはお互いどちらかの家に泊まったりしてるのに……。

珍しいこともあるのね。






「ん……、明日朝早いんだってよ……」





お風呂上り、お兄ちゃんが部屋で携帯を片手にカチカチとなにかしていたから、声をかける。


メール……?誰にだろうと疑問が浮かんでチラッと相手の名前を確認すると神と書かれてあった。


なんとなくわかってたけど、やっぱりか……。






「見るなよ!」


「別にいいじゃない、神さんにでしょ?」






慌てて画面を隠したお兄ちゃんにそう言うと、そっぽを向きながら小さく返事を返してきた。


でも携帯を弄る手は止まっていない。








「そろそろ寝ないとお母さんに怒られちゃうよ?」


「ああ……」






そっけない返事。


お兄ちゃんの隣に座り、バレないように横目でメールの内容を見てみても、まだまだ終わる気配は無さそうだ。






「お兄ちゃん!」


「わかってるって!もう少しだけだからさ……」






本当にもう少しで終わるのだろうか。


相手が神さんだから余計に信じられない。



だって、お兄ちゃんと神さんって有名なバカップルなんだもん。






「おやすみ、か……」






お兄ちゃんの一言に、思わず身体を乗り出し中身を見てしまう。


見てすぐ、お兄ちゃんは返事を書いて送ってしまったけれど、怒るのには充分だ。






「お兄ちゃん!なんでおやすみってきたのに明日の時間割なんて聞くのよ!」


「べ、別にいいだろ?わかんなかったんだから……」


「嘘!だってさっき明日の準備してたの見たもん!」


「確認だよ!確認!」






いつもはそんなことしないくせに……。


絶対本当の理由は確認なんかじゃない、メールをもっと続けるためだ。






「そんなに会いたいならお母さんに言って会いに行けばいいのに……」






どうせすぐ隣が神さんの家なんだから……。



しばらくして神さんから返事が返ってくる。


お兄ちゃんはすぐにそれに反応してまたカチカチと返事を返した。






[お母さんに言ってやる]




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