「…どこにいるんだ?」
コツコツと長い廊下を歩く一人の人物。
プロトコルオメガ3.0のキャプテン、ガンマだ。
只今とある人物を探しており、あちこちを捜索中である。
「あ、いた!」
「…んだよ、お前か。」
探していた人物、ザナーク・アバロニクは彼の愛車、バイク型ルートクラフトを洗っていた。
「…それいつも乗ってるよね。お気に入りなの?」
「まあな。小さい頃からバイク乗りてえって思ってたし」
「ふぅん…バイク、好きなんだ?」
「まあ、男だしな」
「…ボクより?」
「は?」
バイクを磨いていた手を止め、ガンマを見る。
ガンマは頬を膨らまして俯いている。
彼の癖だ。
ガンマは自分に気に入らない事があれば、すぐこうなる。ホント、ガキだ。
「ホント…って言ったら?」
「ッ…!!」
ビクッと身体を震わして、今にも泣きそうな顔でザナークを見つめる。
「クク…ッ、可愛いなぁ?安心しな。お前が一番だからよ」
「…ほんと?」
「…二度も言わせんなよ。」
「ふふっ…、ありがと。」
クスッと笑うガンマの頭を、わしゃわしゃと撫でる。
「じゃあさ、明日。コレに乗せてくれない?」
「乗るったって、お前運転できんのかよ?」
「キミが運転するに決まっているだろう?ボクはう・し・ろ」
「ったく…生意気な野郎だ。」
クク…と苦笑して、ザナークはガンマに触れるだけのキスを落とす。
――絶対だよ
ホントは優しいんだね…