少女・ドロシーの世界
ドロシーは魔女です。
相棒の黒猫と一緒に今日も箒に乗っています。
「まあ、なんてすてきなけしきなのかしら」
ドロシーはいいました。
黒猫は瞳を閉じてそれを聞いています。
「あおい空、あおい海、みどりの大地。とってもすてきだわ」
ドロシーはいいました。
黒猫は黙ってそれを聞いています。
「あなたもみてみなさいな。とっても綺麗よ」
ドロシーはいいました。
黒猫はうっすらと瞳を開けます。
「きれいでしょう?」
ドロシーはいいました。
赤い空と赤い海と黒い大地。
黒猫の金色の瞳は真實をとらえました。
「ねえあなた。あなたもそうおもわない?」
ドロシーはいいました。
黒猫は瞳を閉じて黙りこんでしまいました。
ドロシーの世界はいつもすてき。
ドロシーの世界はいつもおなじ。
ドロシーの世界はきれいなまま。
(だって魔法でできているのだもの!!)
お題提供...
lis2007.3.20
back