This world is...
ある朝のことだ。
温かいコーヒーを飲みながらベーグルを食べていた少年は自分が死んでいることに気付いた。
どうして死んでいるんだろう。
疑問とコーヒーとベーグルは少年の腹の中でぐるぐるまわっている。
両親に疑問をぶつけようと思ったがメンタルな病院に連れていかれるのは嫌なのでやめた。
けれど少年は気付いてしまったのだ。
庭の木々も飼っている犬も周りの人間達もみんな既に死んでいることに。
この世界に生きているものは何一つないのだ。
そう思うと怖くなって、少年は目を閉じた。
This world is...(死んだ世界は生きた世界に憧れる)
2008.05.01
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