爆撃スメル
……。
「…えっと」
何すか、これ。
>>爆撃スメル
「はい、亮治くん」
「ありがと望美っ」
望美は袋を差し出しにっこり笑う。
付き合って一ヶ月。はじめて望美が弁当を作ってきてくれた。
昼休みがものすごく楽しみなんですけど!!
「愛情たっぷりだから残しちゃ駄目だよっ」
「わかってるって」
俺は笑ってみせた。
昼休み。
「いいなぁ亮治は」
「何が?」
袋から弁当を取り出しながら首を傾げた。友達の涼は羨ましそうに俺をみている。
「だってそれ、望美ちゃんの手作りだろ?」
「…よくわかったな。さては超能力者か?」
「…莫迦。お前いつもパンじゃねぇかよ」
そうでした。
涼はカロリーメイトをもさもさ食べながら(今日もカロリーメイトと命の水がコイツの昼食だ)頬杖をついてこっちをみている。
「いいなぁ俺も彼女欲しいなぁ」
「…頑張れ横山少年。応援してるよ遥か上空からな」
「すっげーむかつくんですけど」
笑い飛ばして、弁当の蓋を開ける。
美味しいにおいがまわりに広がる…
筈だった。
「……」
「…なんだよこのにおい」
涼は鼻をつまんで顔をしかめている。
「…えっと」
どこから突っ込んで良いのかわからず、暫く固まる。持った箸がポロリと落ちた。
見た目はすごく美味しそう。美味しそうなんだけど、明らかににおいがおかしい。
おかしいよ望美さん!!
「…食うの?」
依然鼻をつまんでいる涼に俺はぎこちなく頷いた。
◇◆◇
「亮治くん!!」
「…あ…望美…」
「お弁当、どうだっ…顔青ざめてるよ。何か気分悪そうだね、大丈夫?」
(お前のせいだよ!!)
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七代目拍手御礼文
2007.3.25〜4.30
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