しょーとすとーりー | ナノ
最期の朝
「ありがとう」
君は歌うように言った。
僕の腕の中で幸せそうに笑いながら。
歌うように話すのは君の癖だよね。
歌うと音痴だけれど。
「ひどいわ」
くすくす笑いながら君は言う。
そしてそっと歌い始めた。
僕のすきな歌をいつものように。
時々音を外すけれど、君が歌うから気にならないんだ。
「いつまでもだいすきだよ」
にっこり微笑んで君は…
最期の朝
大きな丘の木の下
朝日をいっぱい受けて
もう動かない君と
そっと泪を流す僕。
2007*02*19
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