あれからすぐに臨也は押し倒された。
新羅のペニスが臨也の秘所をなぞる。先走りを塗りたくるように擦り付け、臨也も熱い脈動を感じていた。


「臨也…もう入れたいんだけど…」
「じゃあ最後のお願い聞いてくれる?」
「もちろんだよ」


臨也は身を起こし新羅に抱きつく。するとぴたりと当てられていたペニスは必然的に中に入っていき、臨也は喘ぎながら体を震わせた。


「ぁっんああああぁっ!!」
「臨也っ!?」
「は、っ……最後のお願いだからすごくわがままなこと言うんだけど、さ……」
「うん」
「俺、新羅の子供がほしい……」


眦から、涙が流れていった。
新羅はその言葉が信じられないというように目を見開き固まっている。


「え……こど、も……?」
「知ってたんだよ。今まで妊娠しなかったのはピル飲ませてくれてたからでしょ?100%避妊できるってわけじゃないけど、飲んでなかったらとっくに妊娠してただろうからね」


きゅう、と煽るように臨也は中を締め付ける。泣きながら、けれど愛しそうにぺたんこな腹を撫でた。


「どんなに酷いことしてもやっぱり新羅は優しいなって思った。だけどね、俺はほしいの。新羅との子供がほしいんだよ」
「…臨也……」
「ああ、安心してよ。新羅がいやなら認知しなくてもいい。私ひとりだってちゃんと育ててみせるから、だから……」
「臨也、どうしてそんなこと言うんだい?」
「ぁ……」


新羅の声の調子が変わる。明らかに怒っているときのそれだった。


「ご、ごめ……忘れて!そうだよね、新羅はやっぱりいやだよね……」
「いやなんて誰が言った?君は自己完結する癖直した方がいいと思うよ」
「え……」
「あーあ、もうちょっとムードあればよかったんだけどなぁ……」
「ひぅ…っ」


先ほど入ったばかりのペニスが抜けていく。自分から離れベッドをおりていく新羅に臨也は絶望を感じた。
ぎゅう、と布団を手繰り寄せ頭から被る。拒否されてもいいと思っていた。しかし、拒否されるのが怖かった。

ごそごそという音は衣服を見にまとう音だろうかと臨也を予測する。子供がほしいと言った自分を新羅はめんどくさいと思っただろうか。見捨てるだろうか。
新羅を失う恐怖に震える臨也の、布団は無情にも剥ぎ取られてしまった。


「あ……」
「あのね臨也、勘違いしないでほしいんだけど僕だって子供はほしかったよ。でも自分でも酷いとわかる行為をしてきた。たとえ子供ができたとしてもそれは君が望まないだろう。僕としてはちゃんとした手順も踏みたかったしね」
「し、新羅…?」


新羅の手には小さな箱があった。それを開き、臨也に見えるようにする。
臨也はその中に入っていたものに目を見開いた。


「え…これ、指輪…?」
「うん。もらってほしいんだ、臨也に。この意味わかるよね?」
「で、でも!」


中に入っていたのはシンプルな、けれど臨也に似合いそうなデザインの指輪だった。
この指輪はおそらく婚約指輪の類いだろう。臨也が慌てるのも無理はなかった。


「わかってる?俺だよ?折原臨也だよ?俺けっこう恨まれてるし、新羅にだってどんなとばっちりがくるか……」
「そんなの闇医者の僕には今さらだよ」


笑いながら新羅は臨也がの左手をとった。あいている薬指。そこに、指輪が当てられる。


「お互いに全裸の状態で言うのもあれなんだけどね、僕と結婚してほしい。ずっと臨也と一緒にいたいし、大事にしたい。もちろん子供も一緒に。だめ……かな?」
「……新羅の、ばかぁ………だめなわけないじゃんか…っ」


臨也の指にしっかりと指輪がはまった。嬉しさから泣きじゃくる臨也を抱きしめぽんぽんと背を撫でる。
起立したペニスを、また臨也の中に埋めた。


「ん、んぁあ…っ」
「お腹が膨らむ前には結婚式したいね」
「ひ、ぁ、あ……おれたち友達少ないのに、誰を呼ぶつもりだよ…」
「それは言わないでよ……」


互いに苦笑しながら、相手の全てを求め合うように腰を動かした。下半身はすでに溢れ出した愛液でぐしょぐしょに濡れている。
新羅が動く度にきゅうきゅうと中を締め付け、快楽を追いながら臨也は必死に新羅の名を呼んだ。


「しんら…しんらぁっ!おれ、もうイく…イっちゃう…!」
「うん、僕も…中に…!」
「ぁ…あぁああぁああんっ!!」


背をのけぞらせて臨也は達した。それと同時に新羅も精液を体内に吐き出す。新羅の温かい手が臨也の腹に触れ、労るようにそこを撫でた。


「子供…できたらいいね」
「できるまで何回だってしてくれるんじゃないの?」
「当たり前だろ」


汗で張り付いた前髪をかきあげ、新羅は臨也の額に口付ける。くすぐったそうに臨也は目を閉じた。


「臨也…愛してるよ、君だけを、ただ愛してる」
「うん…俺も、新羅のこと愛してる」


その日、夜が明けるまで二人は行為に勤しんだ。





 
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