迎えに来た、と言った新羅に連れられた先は昨日も一昨日も過ごした新羅の家だった。臨也は無意識のうちに震える体を抑えることに必死だ。


「…あれ、その傷どうしたんだい?」
「あ……」


新羅が指差した先には包帯を巻かれた臨也の手があった。先ほど鏡を割ったときにできたものである。


「ちょっと…ね。たいしたことないから平気だよ」
「そういうのが問題じゃないんだ」
「痛ッ!?」


新羅の手が臨也の手に重なり、そのまま強く爪をたてる。ちょうど細かな傷の辺りにたてたのかじわりと赤が滲んでいった。


「新羅やめて、痛い!」
「わかるだろう?君を傷つけていいのは僕だけだ。僕以外からの傷なんて許さない…!」
「ごめ…なさ………っごめんなさい!これからは気を付けるから!」


臨也はこれ以上傷が広がる前に謝罪を口にすると、不機嫌そうな顔をしながらも新羅は手を離した。「ちょっと待ってて」と口にすると臨也を置いて席をたつ。

一人にされた臨也は特にすることもないためプライベート用の携帯を開いた。受信メールが一件きている。数分前に受信したばかりらしいそれは九十九屋からのものだった。


「なんでこの携帯に九十九屋から…?」


九十九屋には臨也はいくつか所持している仕事用の携帯のうちのひとつしか教えていなかった。疑問を口にしてから、しかし九十九屋なら知っていてもおかしくはないと思い直す。
だがどうしてわざわざプライベート用にメールをするのかがわからなかった。とりあえずとメールの内容を確認すると、本文はこのようなものだった。


『よく聞け…いや、見ろというべきか?まあいい。
折原、事はお前が思っているよりもずっと深刻だ。まだ間に合う、岸谷新羅の元をすぐに離れろ。そうじゃないと今まで以上に辛い目にあうぞ』


「…どういうことだよ、これ……」


新羅から離れろと書いてあるメール。九十九屋が言うのだから今の新羅は相当に危ないのだろうと臨也は予測した。どうするべきか臨也が悩んでいると、手の内の携帯電話が取り上げられた。


「え、ちょっ、なんで!?」
「携帯なんて必要ない。ほら、残りも全部出して」
「…っ」


言われるままに臨也は全ての携帯を新羅に預けた。なぜ携帯を没収されなければならないのか、その理由もよくわからないまま。


「ねぇ新羅、どうして…」
「いいから目を閉じて。いいモノをあげるよ」
「いいモノ…?」
「うん。だからほら…」


臨也は新羅を信用して目を閉じた。新羅の温かい手が臨也の頬を撫でる。くすぐったさに少し首を仰け反らせるとカシャンと音がした。


「…え」


首に感じる重み。臨也は恐る恐る触れてみると硬質な金属の感触に目を見開いた。重厚な黒塗りの首輪が臨也の首にかけられていたのだ。


「何…これ…!」
「所有の証だよ、嬉しいだろう?臨也はこれからずっとこの家で暮らすんだ。外に出なければ僕以外に傷つけられることはない。名案だろう?」
「…甘く見ないでよ、首輪つけられたぐらいで外に出るのをうつろう俺じゃないよ」


首輪に繋がれた情けない状態は見られたくないから外には出れない、という考えは臨也にはない。だが臨也がそういう人物だということくらい新羅にはきちんとわかっていた。


「それは飾りみたいなものだしね。だからさ、外に出る気力を失わせればそれだけで済むんだ」
「ぁ…!?」


新羅は俊敏な動きで臨也を床に押し倒す。後頭部を打ち付け動きの鈍った臨也に馬乗りになり、躊躇なくスカートを捲りあげてパンツをずらし秘所を露にした。あまりの早業に呆けていた臨也だが状況を理解したときにはもう遅かった。新羅の禊が勢いよく臨也の中に突き立てられた。


「ふ、あぁああー!」
「今朝方まで色々してたからまだ解れてるね。けれどちゃんと絡み付いてくるし、本当にいい名器だよ」


入れられただけで臨也はイってしまうような体になっていた。ぎゅうぎゅう熟れた肉が締め付けるにも関わらず新羅の動きは止まらない。
それはイったばかりの敏感な臨也にとっては辛い刺激だった。


「ま、待っひぇえ!いってるから、まだだめぇえ!」
「頑張ってよ。足腰立たなくなるまでするのが目的なんだから。毎日繰り返したらもう外になんて出たいと思わなくなるよね?臨也には僕だけがいればいい。そうだろ?」
「んあぁああぁあッ!」


臨也の好きなところばかりを狙い打ち付ける。硬い先端をごりごりと子宮口で押せば臨也は壊れたように泣き喘いだ。


「こわれるっ!こわれるぅう゛ぅうう゛う゛!!しきゅう、つぶれちゃうよぉ!やめてぇええ!!」
「いいから答えてよ。ね?何て言えばいいかわかる?」
「ぉ…おれ、は!しんらがいればいいっ、ヒぃん!ハ…ッァ、どこにもいかないっずっとずっと、しんらと……やぁああアあ!!」
「その通りだよ。臨也は僕だけのモノなんだ…誰にも渡さない…!」
「あッ、ア―――……!ん、ぅぅ、ぅあ」


新羅と臨也の性交はまだまだ終わる兆しを見せなかった。

本格的に歪み始めた新羅に抗う術を臨也はもたなかった。





 
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